ヘルプデスクの限界をクリアするサービスデスク
ユーザーからの質問やトラブルに対応する窓口としてヘルプデスクを設置している企業は多い。しかし、ヘルプデスクはカバー範囲が特定のシステムやサービスに限られていることが多く、解決しきれない案件については、他の部署や外部の企業に依頼するため、対応に時間が掛かることがある。関連部署や企業との緊密な連携が図れないため、解決のためのノウハウがナレッジとして蓄積されず、それらをITサービスの改善に生かすことができない。
そうしたヘルプデスクの限界を根本的にクリアし、関連する部門や企業との緊密な連携を実現するとともに、蓄積された情報やノウハウをフル活用して新たな価値を創出する基盤として期待されるのがサービスデスクである。
サービスデスクとは、様々な問合せを複数のシステムにまたがって一元的に受付ける「SPOC(Single Point of Contact)」を実現するものと位置付けられており、サービス要求やインシデント管理をはじめ、契約管理や情報発信、満足度調査など、ITサービスマネジメントにかかわる様々な業務を担う。さらに、システム運用部門や開発部門だけでなく、営業部門や外部ベンダーなど、幅広い連携を実現する。サービスデスクはまさにITサービスマネジメントの要としての役割を担っていると言える。
ここで言うITサービスマネジメントとは、ユーザーのニーズに合ったITサービスを提供する活動全般のことを指し、その活動が継続的に改善される仕組みのことだ。そうした仕組みを提供するための基盤となるのが、サービスデスクということになる。
では、サービスデスクを設置する際に、どのような課題があるのだろうか。1つめは、ユーザーからの問い合わせや要求に、いかに迅速に対応するかという「スピードアップ」。2つめは、収集した情報やノウハウをいかに体系化して管理し、効率的に活用するかという「ナレッジの活用」、3つめは、働き方改革を支援する「リモートワークへの対応」である。
野村総合研究所はオンプレミス型のサービスデスク・ツール「Senju/SM」とクラウド型の「mPLAT/SMP」を提供している。実際にこれらのツールによってサービスデスクの課題をどのように解決することができるのか、具体的に紹介しよう。