従業員の業務に応じたPCを配備することが、生産性の向上やIT投資の最適化につながる。しかしそのためには、従業員のデスクトップ(ワークスペース)上で何が起きているのかを、正しく把握しておく必要がある。それを実現するのが、レイクサイド ソフトウェア(以下、レイクサイド)の「SysTrack」だ。このソリューションを利用することで、VDI環境の最適化や、Windows 10の導入前・導入後のパフォーマンスの可視化・分析にも役に立つ。
VDI導入企業からの需要が拡大
「SysTrack」は、「ワークスペース アナリティクス」や「デジタル エクスペリエンス モニタリング」と呼ばれるジャンルの製品だ。従業員の利用するエンドポイント端末を直接モニタリングすることで、その状態を把握・分析し、最適化へつなげていくことができる。レイクサイドのテクニカルサービス マネージャーの長島広隆氏は、SysTrackの特徴を以下のように説明する。

レイクサイド ソフトウェア株式会社
テクニカルサービス
マネージャー
長島 広隆氏
「仮想環境などシステムが複雑化した中で、エンドユーザーの利用環境把握が以前よりも難しくなっています。SysTrackは、物理環境、VDI環境など様々な環境下であっても、エンドポイントから詳細なデータを収集します。収集した多数のデータを関連付けすることによって、現在起こっていること、過去に起こったことを明らかにします」
SysTrackでエンドポイントの詳細なデータを収集することにより、システムパフォーマンスの監視をはじめ、セキュリティリスクの監視と予防、トラブルシューティング、プロアクティブなサポート、さらには、従業員の働き方の見える化によるIT投資の最適化にもつながる。

図:SysTrackにより、エンドユーザーにフォーカスしたITの監視・分析・最適化が可能になる
エンドポイントのパフォーマンスがわかることは、従業員の生産性向上と大きな関わりを持つ。そのためVDIを導入した企業で、SysTrackを導入するケースが多いと話すのは、レイクサイドのマーケティングマネージャーの冨永千鶴氏だ。
「VDI導入後、『使い心地はどう?』と社内アンケートを取っても、『まぁまぁです』という曖昧な感想が返ってくるケースが多いそうです。また、『使い心地が悪い』という感想も、その人の個人的な感想なのか我慢できないほどパフォーマンスが悪いのか、情シス部門の担当者は簡単に判断できません。SysTrackを導入すると、定量的なパフォーマンスデータが取得できることから、どのリソースに対して改善の必要があるのか否かを数値データから判断できるようになります」

レイクサイド ソフトウェア株式会社
マーケティング マネージャー
冨永 千鶴氏
VDIはデバイス、ネットワーク環境などによって利用者の評価に大きな差が出る。情シス部門が予想していたパフォーマンスと、実際のパフォーマンスに大きな開きが出てしまうこともある。

図:ユーザーの使用感、システム全体の状況を可視化しスコアリング
「これまでエンドユーザーが利用する端末は、部や課など組織単位では同じものを導入されることが多かったと思います。しかし、利用状況を可視化してみると、同じ部門や組織に所属している人でも、業務内容によって利用状況に大きな違いがあることもあります。SysTrackの結果をみて、所属部署単位だけではなく、どんな使い方をするかというペルソナ別にマシンのスペックを決めることで、利用者の生産性が上がるとともに無駄のないIT投資が可能になります」(冨永氏)
端末の利用年数は、これまでリース期間などに応じて決定されることが多かった。「ブート時間やスコアリングなどのデータを見ることで、もっと早くリプレースをした方が作業効率向上を見込めると判断するケースもあるはずです。逆に、あまり利用していないので、長期間利用を続けても問題がないといったケースも出てくるかもしれません。リアルなデータが把握できることで、お客様の利用状況に合わせたIT投資が可能となります」と長島氏は指摘する。
さらに、シャドウITの実態や、あまり利用されていないアプリケーションなども発見できる。また、フリーアドレスを導入する企業が多い中、実際の着席率などが把握できていないためにWi-Fiの混雑が原因で業務効率が低下していることが明らかになるケースもある。SysTrackは、セキュリティやガバナンス、業務環境の整備といった面からも有効なソリューションなのだ。