Excelは優れたツールだが、システムとの連携に課題
デジタル時代に企業が競争力を持ち続け生き残るために、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが不可欠だ。そのためには、まず、あらゆるデータをデジタル化して一元管理することが求められる。しかし、ビジネスの現場では各担当者がExcelを使って行う業務が多く、パソコン内にとどめて外部と共有されないデータも少なくない。Excelを手放してすべてシステム化することで、フォーマットの統一やデータ処理の自動化が図れ、データの有効活用と同時に生産性向上が期待できる。だが、膨大なコストと既存の習慣からの変更が必要であり、容易な取り組みではない。

アステリア エンタープライズ本部
マーケティング部部長
兼 ASTERIA Warpプロダクトマネージャー
東出 武也氏
データ管理の最適解を求める企業から相談を受けることが多いアステリアのエンタープライズ本部マーケティング部部長 兼 ASTERIA Warpプロダクトマネージャー 東出武也氏は、次のようにアドバイスする。
「Excelは、多機能かつ誰にでも使える操作性を持つことから企業内に広く浸透しています。もはや業務に欠かせない存在であり、無理に『脱Excel』を目指すよりも、Excelのメリットを生かしつつ適材適所でシステムと共存させる選択肢『“活”Excel』が現実的で効率的です」

ただし、これまでと同じ運用方法でExcelを使い続けると、課題も残る。
「マクロを作り込んでシステムとデータ連携させることも可能ですが、バージョンアップで連携に支障が出ることも少なくありません。マクロもプログラミングの素養が必要なので、作成者が退職していてメンテナンスができない場合、手作業で代替することになります。するとデータ連携のコストが増えるだけでなく、ヒューマンエラーによるコスト発生につながる可能性もあります。人材が不足しているうえ、働き方改革にともなう残業の抑制もあり、業務が破綻する恐れも考えれます。Excelとシステムをつなぐ、別の仕組みづくりを私たちは提案しています」(東出氏)