ハードウェアのプロフェッショナルに問う!中堅・中小企業がIT基盤にかかえる4つの不足
「導入予算不足」、「パフォーマンス不足」、「運用管理ノウハウ不足」、「IT人材不足」
AMD EPYC搭載サーバに解決の可能性を探る

潤沢なIT予算のある大企業ではない、多くの中堅・中小企業においてはIT基盤の構築・運用ひとつをとってもかかえる課題は多い。たとえば予算が限られるなかのサーバ選定、「もっとコア数があれば」「もっと処理性能が高ければ」といった悩みを感じることも少なくないはず。そんなとき、「別の」選択肢を検討してみてはどうだろうか。長年にわたり「一強」状態が続くCPU市場の中、なかなかユーザーから評価されにくいAMDだが、最近では他社を大きく上回るコア数、処理性能を実現している。とりわけサーバ向けCPUは保守的な考え方で選定されがちなものだが、今後もそのままでいいのか。この機会に最新動向を頭に入れておいてほしい。

 「クラウドファースト」「クラウド・バイ・デフォルト」などとは言うものの、オンプレミス環境で自社サーバを運用するシステム形態は根強く残り続けている。オンプレミスを選択する理由は様々だが、その理由が何であれ、オンプレミスならではのサーバ選択には特有の課題がつきものだ。

 主な課題として思いつくのは、パフォーマンスやコストに関するものだろう。例えば、システム基盤を構成するミドルウェアの中には、物理CPUソケット数を基準にライセンスを算出するものも多く、要求性能に基づきサイジングした結果、ライセンス費が予想より高額になると見積もられるケースもある。中には運悪く、ソケット数上限を超えたために安価なエディションが使えなくなり、一気に値段の跳ね上がる上位エディションが必要になることもあるだろう。

 また、サーバやクライアントの仮想化基盤では、処理性能もさることながら体感性能はコア数に大きく左右される。必要なコア数を確保すべくソケット数の多い上位モデルのサーバを選ぶとなれば筐体も大きくなり、ラック占有スペースや消費電力からもコスト増をもたらす。同様の課題は、要求されるディスクやメモリの容量によっても生じることがある。

 クラウド時代の現代では、パブリッククラウドとオンプレミスを組み合わせて利用しているユーザーも多いが、それぞれの運用が別々になってしまう点も課題だ。オンプレミス環境では、しばしば特定の場所(データセンターか、サーバ室か、あるいはVPNなどで接続された専用コンソールか)に運用担当者が行かないと操作できない部分があり、彼らの働き方も昨今では問題になりつつある。

 オンプレミスのサーバ選定では他にも様々な悩みが想定されるが、メーカー側ももちろん課題を認識しており、技術革新を通じて解消しようとしている。ここからは、ある最新CPUを搭載したサーバを例に、どれだけ悩みを解決できるのかをみていこう。

他社を上回る性能と
コストパフォーマンスを兼ね備えるAMDの優れたサーバCPU

 そのCPUとは、AMDのサーバ向け最新CPUブランド「AMD EPYC」。2019年にリリースされた第2世代製品「EPYC 7002シリーズ」(開発コード名「Rome」)では、最大64コア/128スレッドまでラインアップしているだけでなく、コア単体性能も前世代より向上し、メモリやPCI Expressの入出力性能なども強化された。スペックをみると多くの面で他社CPUを上回っており、x86アーキテクチャのサーバCPUとしては最高性能と言っていいだろう。

 しかし、優れた性能を持ちつつも、AMDのCPUを搭載したサーバを敬遠するユーザーも少なくない。Hewlett Packard Enterprise(以下、HPE)の日本法人、日本ヒューレット・パッカードで、テクノロジーエバンジェリストの肩書きを持つ小川大地氏は、以下のように語っている。

 「HPEは、10年ほど前からAMDのCPUを用いたサーバを提供してきました。AMDが他社のほぼ倍のコア数を持つCPUを提供し始めた5~6年ほど前には、HPEでもこのCPUを搭載したサーバを提供し、コア数が大きなメリットになる仮想サーバやVDIなどの基盤として数多く採用いただいています。ところが当時は、CPUの設計思想やそれに由来するアーキテクチャの違いなどから、他社CPUに対しコア数では倍でも、CPU全体の性能では1.2~1.3倍程度に留まっていました。その結果、市場には『思ったほど性能が出ない』『サイジングに特別な換算式が必要で扱いづらい』といったネガティブなイメージも残ってしまい、消費者以上にSIベンダー側が敬遠してしまう傾向があります」

 一度ネガティブなイメージがついてしまうと、それを払しょくすることは非常に難しい。だが近年のAMDはアーキテクチャを大きく刷新したことで、5年前の評価とは全く異なるものとなっている。

すでに市場には変化の兆候
性能にもコストにも厳しい自作ユーザーに選ばれるAMD

 実は、一部の CPU市場では、すでにAMDの方が高く評価されるようになっている。特に顕著なのが、「自作PC」の市場だ。日本国内の量販や通販でのCPU販売数をみると、2019年後半にAMDが他社を上回り、その後も過半数のシェアで推移している。ワールドワイドでも同じような傾向だ。高性能かつ低コストを求めるユーザーが主流になっていると考えられ、そうした“よく知る”ユーザーがAMDのCPUを選ぶようになってきた。

 もちろん、PC用とサーバ用のCPUは目的や要求仕様が異なるので一慨には比較できない。しかしながら、回路設計や製造プロセスなど技術面では共通する点が多く、他社に対する性能や価格の傾向も似通ったものとなっている。実際、AMDのPC用CPU「Ryzen」が売れている背景として、以前からAMDの優位点だった内蔵GPU性能のみならず、CPUそのものの性能も大きく向上した点がシェア拡大につながった、とみられている。そして、EPYCも、以前に比べCPU性能が格段に高まっており、それでいて価格は他社より安価だ。小川氏は、以下のように語る。

 「AMD EPYCは他社CPUと互角の性能です。公開されているベンチマークテストなどの結果からも、コア数やクロック周波数が同じであれば性能はほぼ同じであることが確認されています。それでいて今回のEPYCは、価格が他社の半額以下と非常にアグレッシブです」

コア数と性能の影響はパフォーマンスだけに終わらない
システム全体のコストにも大きなインパクト

 とはいえ、サーバ全体の価格でいえばCPUの寄与分はごく一部。CPUのコストパフォーマンスがいくら優れていても、大した効果は期待できないと考える向きもあるだろう。しかしEPYCはコア数のラインナップが広く、他社CPUの倍以上のコア数を選択できる特徴が、価格にも大きく影響してくる。それはソフトウェアのライセンス費用だ。

日本ヒューレット・パッカード テクノロジーエバンジェリスト 小川 大地氏
日本ヒューレット・パッカード
テクノロジーエバンジェリスト
小川 大地氏

 「CPUの価格はサーバ全体の1~2割といったところですが、そもそもエンタープライズにおけるシステムコストの多くはソフトウェアライセンスが占めています。EPYCなら他社で2個必要なところを1個で済ませることができるため、CPUの搭載数や物理的なサーバ台数で算定するライセンスは半減できることになるのです」(小川氏)

 少し具体的にみてみよう。Windows Server 2016以降は、主にコア数を基準としたライセンス体系(Essentialsエディションのみ物理サーバ単位)となっており、他社CPUでもEPYCでも費用に差は出ない。一方、VMwareは主にCPUソケット数を基準としているため、EPYCなら他社CPUを選択した場合の半分にまで下げられる可能性が出てくる。規模の大きなシステムでは、こうしたソフトウェアのライセンス費も相当な額となり、大幅なコスト削減が期待できるというわけだ。

 「システム規模によっては、CPUソケット数が増えると否応なく上位エディションが必要になるソフトウェアもあります。これも、EPYCで回避することが可能になるでしょう。そうなれば半額どころではなく、さらに安くできる可能性もあるのです。予算が抑えられると決済権限も下がり、調達までの社内手続も減らせます。あるいは余った予算を他の用途に回して、テレワーク環境を整備するといったことも可能になるでしょう」(小川氏)

ハイエンドからバリューモデルまで
幅広い選択肢が用意されたEPYC搭載サーバ

 こうした数々の特徴を持つAMD EPYC搭載サーバは、今では各社から提供されている。各社が注目しているのは、処理性能だけでなく入出力性能も他社CPUより優れている点だ。

 その特性を生かす用途として、研究機関や大学などのハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)ユーザーから多くの引き合いがある。同様に、コア数や入出力性能が重要な用途として、動画エンコーディングや動画配信などにも効果的だ。そのため、多くのメーカーは、こうしたユーザーのため高性能なEPYC搭載サーバに注力している。

 もちろんHPEも高性能な機種へのニーズを強く意識しており、2020年1月にはラックマウントサーバ「HPE ProLiant DL」のラインアップに、設計を一新した新モデル「HPE ProLiant DL325 Gen10 Plus」「HPE ProLiant DL385 Gen10 Plus」(以下、Gen10 Plus)を加えた。Gen10 Plusは、第2世代EPYCの最上位モデルまで搭載可能、その入出力性能を最大限に生かす設計としているだけでなく、これまで以上に大容量のメモリやストレージを搭載できるようになっている。

メンテナンス性にも配慮しつつ、1Uとしては驚異的なまでのストレージが搭載できるように
メンテナンス性にも配慮しつつ、1Uとしては驚異的なまでのストレージが搭載できるように

 「Gen10 Plusは、これまでの第10世代に対し、第10.5世代といった位置付けで、他社CPUより先にEPYC搭載モデルをリリースしました。2U・2ソケットの『DL385 Gen10 Plus』と、1U・1ソケットの『DL325 Gen10 Plus』の2種類ありますが、特に意欲的なモデルは後者で、1U筐体ながらディスクを24本、メモリも大量に搭載できます。1ソケット64コアのEPYCは他社CPUの2ソケットあるいは2台分の処理性能ですから、それに合わせ足回りもサーバ2台分に相当する内容を詰め込みました。つまり、サーバ台数そのものを削減可能なモデルというわけです。(小川氏)

 HPEではさらに、EPYC搭載の汎用サーバとして“Plus”の付かない「DL325/385 Gen10」もラインアップしているのも特長だ。他のサーバメーカーでは、EPYC搭載モデルを高性能機種に集中させているが、HPEでは普及価格帯でもEPYCのメリットが生かせるという考えをもとに幅広いラインアップを展開。

 「EPYCの性能を生かしたライセンスコスト削減などの効果は、一般的な用途で規模が小さなシステムでも有効です。HPCといった極めて高い性能は求めていないユーザー、コストパフォーマンスを重視する層でも、そうしたメリットを得られるようにと提供しています。実際、一般的なエンタープライズシステムのサーバとしてEPYC搭載モデルの採用が広がり始めており、コストパフォーマンスに着目して採用したユーザー、スペース効率なども含めたコスト効果を求めて採用したユーザーなど、数々の事例が出ています」(小川氏)

EPYC搭載モデルのラインアップ。HCIアプライアンスも用意されている
EPYC搭載モデルのラインアップ。HCIアプライアンスも用意されている

クラウドが普及した今の時代だからこそ
オンプレミスのサーバに必要なものとは

 ちなみに、ProLiant DL Gen10/Gen10 Plusには、全モデルに共通する特徴として、高度なセキュリティや運用省力化などの機能が備えられている。こうした機能を盛り込んだ背景について、小川氏は以下のように説明している。

 「ここまでクラウドが普及した今の時代、あえてオンプレミスのサーバを選択するユーザーには、相応の理由があるというものです。その理由はユーザーにより様々ですが、セキュリティやコンプライアンスを挙げる方も少なくありません。今のクラウドサービスはとても高度なセキュリティを備えていますから、それを上回るべく様々な仕組みを製品に取り入れ、市販サーバの中でトップクラスのセキュリティとしました。また、パブリッククラウドとオンプレミスの併用を想定し、オンプレミス環境のシステム基盤もクラウドで監視・運用できる仕組みとして『HPE InfoSight for servers』も用意しています。データセンターに足を運んだり、専用コンソールでアクセスする必要がなくなり、情シスの人手不足や昨今の在宅奨励など、運用担当者の働き方も改善できます」

 さらに、用途に応じて最適なシステム性能を引き出すためのテクノロジー「Intelligent System Tuning」も実装されている。その一つ、「Workload Matching」機能は、ワークロードに合わせプリセットされているチューニングプロファイルを選ぶだけで、BIOSレベルの細かな調整を一括で変更するというもの。

手間も時間もかけずに、ワークロードに応じた性能を引き出すことが可能
手間も時間もかけずに、ワークロードに応じた性能を引き出すことが可能

 「Workload Matchingは、BIOSによるパフォーマンスチューニングを誰でも簡単に実現するようにしたものです。HPCなど性能を重視する用途のユーザーであれば、十分な知識やスキルを持っており、このようなチューニングも自力で行うことができるでしょう。しかし、一般的なエンタープライズユーザーにとってはなかなか容易ではありません。近年のサーバは、どちらかというとエコ重視の設定で出荷するのが通例ですから、設定を変えずにそのまま利用しても性能を引き出せない場合があります。せっかく購入したのであれば性能を引き出したいと思うものですが、そのために必要なノウハウを持っている方はほとんどいないためです」(小川氏)

 このBIOSレベルのチューニング設定は、開発元であるHPEがAMD社と綿密に検証してプリセットしたものだ。実は、HPEのエンジニアはEPYCプロセッサの開発にも深く関わっている。

 「今のEPYCは第2世代で、初物ではありません。第1世代(コードネーム「Naples」)の頃から、ほとんどトラブルなく利用されてきました。そして今後、第3、4世代の計画もロードマップにあります。HPEではEPYC搭載モデルを提供し続け、ラックマウントサーバだけでなく他のサーバにもEPYC搭載モデルを追加していく計画です。まだAMDのCPUに不安を持つ方もおられることでしょう。しかし、HPEであればチューニングも容易にできますし、当社には検証センターや貸出用として機材も十分に用意しています。ぜひ実際に触って、その性能を体感してみてください」(小川氏)

iLO Adbancedの評価ライセンスを2020年12月31日まで期間を拡大して提供

現在、数多くの方が在宅勤務を強いられる中、サーバ管理者にとって、サーバをリモート管理することの重要性がこれまでになく高まっている。
そこでHPEでは「HPE Integrated Lights-Out(iLO)」のフル機能を使用するための「iLO Advancedライセンス(有償)」の評価用無償ライセンスを2020年12月31日まで期間を拡大して提供している(通常期間は60日間)。
システム管理者は、自宅からでもサーバをリモートで容易に管理できる。
提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2020年7月31日