なぜIT部門は幸せになれないのか? ~前編~ 永遠の課題“運用管理の属人化”へ挑む --運用管理者の働き方改革を支援するのは「HCI+JP1」

HCIだけでは足りない「人依存」の課題への対応

 IT部門における働き方改革での最重要テーマの1つに運用管理の高度化がある。運用管理は人、業務プロセス、技術、ノウハウ、予算という業務改善の取り組み要素がすべて関わってくる。この課題の解決なくして、IT部門の働き方改革は成し得ないと言っても過言ではない。

 そもそも運用管理はビジネスにおけるIT活用の歴史とともにある永遠のテーマだ。企業のIT担当者は知恵を絞りながら、さまざまな対策を講じてきた。しかし近年は、仮想化やクラウド、モバイルといったトレンドを受け、ITシステムが著しく複雑化した。これまでの運用管理のあり方が限界を迎えるようになっている。

 そんななか登場したのがハイパーコンバージドインフラ(HCI)だ。これまでの運用管理は、サーバ、ネットワーク、ストレージといった要素を個別に管理することが求められてきた。サーバ管理者、ネットワーク管理者、ストレージ管理者といった担当者ごとに異なるスキルやノウハウが求められ、それが運用効率を下げ、運用コストを高止まりさせる主な要因になっていた。

 これに対し、HCIは、サーバ、ネットワーク、ストレージといったコンポーネントを統合し、ITインフラをシンプルに運用できるようにした。事前にセットアップされているので導入も容易で、拡張も簡単な操作で実施できる。運用コストや業務プロセスの見直しが進むことで、IT部門がビジネスに貢献しやすくなるという効果もある。また、HCIは、仮想環境で標準的に利用されているVMware vShpereとVMware vSANを使って簡単に構成できることも大きなメリットだ。

 とはいえ、HCIは、運用管理の課題のすべてを解決できるわけではない。むしろ「運用管理がシンプルになる」というHCIの特徴が、新しい課題を生みつつある。それは新たな「人依存」という課題だ。

 「分かれていたインフラのコンポーネントが統合されたことで、それを管理する担当者のスキルに依存する傾向が高まりつつあります」と、日立製作所のサービスプラットフォーム事業本部IoT・クラウドサービス事業部の西部憲和氏は説明する。この新しい人依存がHCI運用の思わぬ落とし穴になっているのだ。

運用フェーズで顕在化するHCIの3つの課題

 西部氏によると、HCIの人依存の課題は、大きく3つの側面から見ることができる。1つは、拡張が容易なことに起因する課題だ。ビジネスニーズに応じてサーバリソースを柔軟に増強できるようになると、実際に管理対象はどんどん増えていく。管理対象が増加すると、システム構成やリソース稼働状況が見えにくくなり、リソースやキャパシティのプランニングが難しくなる。


株式会社日立製作所
サービスプラットフォーム事業本部 IoT・クラウドサービス事業部 事業推進本部
主任技師 西部 憲和 氏

 「HCIでは、導入時のリソースやキャパシティのプランニングはほとんど不要です。しかし、拡張性が高まることで、運用時のリソースやキャパシティをいかに効率よく管理していくかが重要になってきます。管理しないまま運用することでHCIシステム間でのサイロ化が進むケースも見られます」(西部氏)

 2つめは、運用熟練者の不在に起因する課題だ。インフラのコンポーネントが統合され、日々の運用がシンプルになると、従来のサーバ、ネットワーク、ストレージ管理の技術も受け継がれにくくなる。この課題が顕著に現れるのが障害発生時だ。障害発生時に運用熟練者が不在の場合、障害の影響範囲の拡大や復旧作業の長期化の可能性が高まる。

 「HCIはサーバやストレージなどのコンポーネントが統合されているため、それぞれのコンポーネントのどこで問題が発生したかが見えにくくなります。このため、ちょっとした障害の切り分けや対応も難しくなります。問題が起こっても気づかないというケースが増えています」(西部氏)

 3つめは、定常業務や設定変更の手間の増大だ。HCIを拡張していくとことで、物理サーバや仮想サーバは増え、関連する業務アプリケーションの数も増える。管理対象が増えると、それぞれの設定変更の手間もリニアに増えていく。「インフラ管理は容易になっても、その上で稼働するアプリケーションの設定変更の手間は変わらず、むしろ増えていくのです」(西部氏)

 こうしたHCIの運用フェーズにおける人依存の課題を解決できれば、HCIの本来のメリットを享受できるようになる。それにより、IT部門の働き方改革への道筋も一気に開けるのだ。

提供:株式会社日立製作所
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2018年7月31日