人事・労務

従来オフィスへの不満--従業員が求める改善点とは

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるリモートワーク期間を経て、企業は従業員をオフィスに戻すことを考えているが、先ごろ発表された報告書では、パンデミック前のオフィスに対する従業員の不満が明らかになっている。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の渦中で新たな安全手順を導入しながらも、数カ月にわたるリモートワーク期間を経て、企業は従業員を従来のオフィスに戻しつつある。NEXT Energy Technologiesは先ごろ、「The Case for Office Space: How Buildings Need to Change to Suit a Climate-Conscious, COVID-Weary Workforce」(オフィス空間の事例:気候に配慮し、COVIDに疲れた労働者に合わせて建物をどのように変えるべきか)と題する報告書を発表した。本報告書では、在宅勤務の生産性や職場への回帰意識のほか、従業員が望むオフィスの改善や企業の持続可能性への取り組みを巡る雇用者と従業員の思いを明らかにしている。

 NEXTの設立者兼最高経営責任者(CEO)のDaniel Emmett氏は、本報告書の報道発表の中で次のように述べている。「さまざまな合理的な理由から、従業員を対面式のオフィスに戻したいと考える企業と、かつてないほど大きな意思決定権を持ちつつある需要の高い労働力との間で対立が生じている」

「2021年の大辞職」

 いわゆる「2021年の大辞職」という言葉は、雇用者が労働者をオフィスに戻すことで、ここ数カ月の間に多くの見出しを飾ってきた。4月に報じたように、Blindの調査では、3人に1人の従業員が「在宅勤務が終了したら」辞めると答えていることが明らかになっている。Next Energy Technologiesの報告書によると、従業員の74%は「会社が自分の期待に応えてくれない場合、仕事を辞めることを考える」と回答し、ほぼ同数の意思決定者(72%)が、期待が満たされなければ従業員は職を変えるだろうと考えていたという。

 従業員の大多数は、雇用主が「自分の期待の一部しか満たしていないか、全く満たしていない」と回答したのに対し、意思決定者の大多数は、組織が「健康的なオフィス環境に対する従業員の期待の一部または全部を満たしている」と考えていたと報告書には記されている。

リモートワークの生産性

 報告書によれば、意思決定者の大多数(85%)は、在宅勤務に切り替えてから「会社の生産性が向上した、または変わらない」と感じており、同じように感じていた従業員の割合は79%だったという。生産性がこのように評価されているにもかかわらず、従来のオフィスに戻ることに関しては、意思決定者と従業員との間に決定的な違いが残っている。

 報告書によれば、例えば意思決定者の32%は、従業員が従来の職場にフルタイムで戻ることを要求し、33%は「従業員がハイブリッドなスケジュールで戻ること」を求めている。しかし、「オフィスでフルタイム稼働したい」と答えた労働者は15%に過ぎなかったという。

オフィスに求められる持続可能性

 報告書はまた、企業の持続可能性への取り組みや気候変動、従業員の健康に関する従業員の期待にも焦点を当てている。全体として、従業員の83%は「気候が個人の健康に直接影響すると考えて」おり、意思決定者の77%は、従業員の健康が「気候危機」と「直接結び付いている」と考えていることが報告書から示された。

 「この1年はCOVIDの世界的流行の影響だけでなく、誰もが多くのことを経験した。山火事、猛暑、干ばつ、洪水、その他の予測不可能な気候現象は全て、人々の生活に大きな損失をもたらしている」と、Emmett氏は報道発表の中で述べている。

 持続可能性に関して従業員が企業に求める項目としては、「使い捨て資材への依存度を下げること」(51%)と再生可能エネルギー(66%)が上位に挙がっている。80%の意思決定者が「従業員を維持するためにオフィスの持続可能性を向上させる」と回答した一方で、「使い捨て資材を減らす」と答えた意思決定者はわずか19%にとどまり、約半数は「より積極的に省エネを実施するつもりだ」と回答した。

 「ビジネスの意思決定者を含むほとんどの理性的な人々は、気候変動の危機が個人の健康に直結していることを理解している。職場復帰を求められている従業員は、自分の信念を崩すことを望んでいない」と、Emmett氏は報道発表の中で述べている。

新たなオフィスの再設計

 半数以上の従業員が「オフィスでの仕事が健康に悪影響を及ぼした」と述べ、47%は「古いオフィスが精神的な健康に影響を与えた」とし、37%は「自然光の不足が健康に影響を与えた」と回答している。全体的に、「意思決定者は従来の健康対策や安全対策への関心を強めている」ことが報告書から明らかになった。こうした対策には、衛生状態の改善(51%)、オフィスの1人分の作業空間同士のスペースの確保(46%)、換気や空調システムの改善(45%)が含まれる。

 従業員では、61%が「健康対策や安全対策の強化を望んで」おり、67%は「より快適な設計特性を望んで」いるようだ。報告書が明らかにしたパンデミック前のオフィスの不満には、長時間の通勤(46%)や「自然光が入らないこと」(39%)が上位に挙がっているが、「自然光の取り入れについて改善したり、窓を増やしたりすることを検討する」と回答した意思決定者は、4分の1未満(24%)に過ぎなかった。

提供:GettyImages/Thomas Barwick
提供:GettyImages/Thomas Barwick

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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