ノンプログラミング開発ツール

社内で市民開発者を見つける--ビジネスの問題を理解してデジタル化に貢献

企業は、ジネスのデジタル化を促進するため、社内に存在する市民開発者にもっと目を向ける必要があるかもしれない。

 2021年、企業がデジタル化への取り組みを強化する中、ソフトウェアチームは作業負荷の増大に直面している。

 その一方で雇用主は、技術系人材市場の競争が激化する中、迫り来るスキル不足に直面している。開発者に対する需要が拡大すれば、企業はソフトウェアの大きな野心を満たすことがますます難しくなるだろう。

 自動化プラットフォームCatalyticの最高経営責任者(CEO)を務めるSean Chou氏は、こうした窮状を打開するために、企業はもっと社内に目を向け直すべきだと考えている。

 「多くの人が必要なソフトウェアエンジニアを確保できていないことが、問題の核心だと言えるだろう」とChou氏は米TechRepublicに語っている。

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 「人材を見つけ、人材を維持し、その人材の意欲を維持してエンゲージメントを継続させていくことがどれほど難しいかを私は知っている。だから市民開発者こそ、企業を本当にデジタル化するための手段だ」

 市民開発者プログラムは、ローコードまたはノーコードのツールを使ってビジネスアプリケーションを構築する方法を従業員に教えることで、中央の開発チームの障害を解消できる。

 非常に専門的なビジネスアプリケーションを構築するよう訓練されたプロの開発者とは異なり、市民開発者は技術の基本的な理解を持っているか、新たなスキルを学ぶ意欲があれば、組織内の誰でもなることができる。

 Chou氏は、市民開発者を2つのクラスに分類している。「コードを書かない市民開発者と呼ばれる人たちがいる。そういった人たちは、例えば複雑な『Excel』の関数には慣れているかもしれないが、実際にはコードどころか、スクリプトすら書かない」

 一方、ローコードの市民開発者は、もう少し実践的な経験があるかもしれないとChou氏は語る。「ローコードの市民開発者は古典的な訓練を受けていないかもしれないし、プロの開発者のようなソフトウェア開発ライフサイクルの方法論を全て知っているわけではないかもしれないが、スクリプトを書くことには抵抗がない」

 市民開発者として有能かどうかを決定づける明確な特徴はないが、Chou氏によれば、雇用主が企業内で見込みのある候補者を特定するのに役立つ「繰り返し起こるテーマのパターン」があるという。

 最初のステップは、Chou氏が「簡単にノックアウトされる人たち」と呼ぶ、市民開発者プログラムに参加しようとしない従業員を特定することだ。

 そういった人たちをふるい落としたら、日常生活の中でテクノロジーを取り入れている社員の発掘を開始だ。それは「新たなソフトウェアの導入に抵抗がなく、初期のソフトウェアタスクやデータタスクに参加したいと常に手を挙げているような人たち」だとChou氏は言う。

 同氏が信頼する方法の1つに、Excelテストがある。「複雑なスプレッドシートを作成できる人は、ほとんどの場合、関数のパラメーター化の基本を理解しており、多くのロジックを理解し、データの検索方法の関係を把握しているため、確実な指標となる」(Chou氏)

 市民開発者は、プロのソフトウェアエンジニアの要件を完全に満たすことはできないが、技術的なスキルの隔たりが存在するのは、技術的な役割を持たない従業員が、デジタルに精通するためのツールや訓練を与えられていないことが主な原因だとChou氏は指摘している。

 外部からの採用や既存のスタッフのスキルアップによって技術者を増やすことに成功した企業は、最終的にデジタル化をより迅速に進められ、競争上の優位性を持てると同氏は言う。

 また、従業員はビジネスが抱える問題や組織のプロセスに精通しており、市民開発者として本質的に価値のある多くの知識を持っている。

 「ソフトウェアエンジニアが夢中になるようなことは、市民開発者ができるようなことではない」(Chou氏)

 「(市民開発者の)多くはビジネスプロセスを重視し、把握しているため、独自のスキルや独自の視点を持っており、プロの開発者が実際には持っていないようなものをもたらしてくれる」(Chou氏)

 「問題は、市民開発者のスキルや能力、経歴を実際にどのように活用し、特定のアプリケーション開発においてどのように効果的にしていくか、ということだ」(Chou氏)

 そのためには、従業員自身が解決したいと思っている問題を理解することから始まる。Chou氏は次のように述べる。「市民開発者は訓練を受ける際、経験した具体的なことを頭の中で思い描いている。これが大きな違いを生み出す」

 さらに、技術力の向上に真剣に取り組んでいる雇用主は、従業員が新たなスキルを磨くために十分な時間を確保する必要があるが、Chou氏によれば、これは一朝一夕に実現できるようなことではないという。

 「中には『市民開発者』と聞いて、既存の従業員から魔法のようなアクセス能力が得られると考えてしまう人がいるが、これは大きな間違いだ。そんなことは起こらない」(Chou氏)

 「市民開発者が新たなスキルを学んで訓練し、少なくとも週に1回、できれば週に2~3回、使っているものに触れる時間を確保する必要がある。それが実際に開発できるスキルになる」(Chou氏)

市民開発者プログラムは、企業のデジタル成熟度を向上させると同時に、ソフトウェアチームの負担を軽減する。提供:Maskot / Getty
市民開発者プログラムは、企業のデジタル成熟度を向上させると同時に、ソフトウェアチームの負担を軽減する。
提供:Maskot / Getty

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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