人事・労務

退職面接の重要性--離職者の声に耳を傾けて離職率を低下

優秀な人材の確保が難しくなる中、組織を改善して従業員の維持に役立つ手段として退職面接がある。

 雇用と転職は最高潮に達しており、まだ埋まらない求人数転職数は過去最高を記録している。この熱狂は、人手不足による地元レストランのサービス低下から、ホワイトカラーの従業員がより高い給料や新たなリモートワークの機会を求めて雇用主を変えることに至るまで、経済のあらゆる断片に影響を与えている。これは新たに従業員を雇用しようとしている技術系のリーダーにとって目新しいことではない。というのも、IT業界は、パンデミックによる従業員の忠誠心が雇用市場の再開とともに一夜にして消滅したかのように、こうしたトレンドの影響を大きく受けているからだ。

入れ替えコストは高くつく

 既存従業員の維持と比べた新規従業員の雇用にかかる費用を見積もった場合、低くいもので、従業員の給与の約33%というEmployee Benefit Newsによる見積もりになり、高いもので、50〜70%というSociety of Human Resource Managementによる見積もりになる。さらに、仕事を分配し直さなければならないことによる生産性の低下や、残った従業員の士気に対する影響といった「ソフトコスト」も伴う可能性がある。

 ある程度の離職は常に予想され、時には有益なこともあるが、大規模な人材流出は、特にパンデミック中に期待以上の業績を上げていた社員にとっては、複合的な悪影響を及ぼす可能性がある。現在残っている社員は、去っていった社員の仕事を追加で引き受ける負担を追い、さらなる人材離れのリスクが増している。これは単にパンデミック後の生活の側面に過ぎないと肩をすくめるのではなく、離職者の影響を軽減するための戦術を展開する価値がある。特に、シンプルでありながら活用されていないことが多いのは、退職面接だ。

離職から利益を得る

 社員が辞めていくことに裏切られた気持ちになるのは人間の常で、最近は異常な要因で加速しているとはいえ、自然なことだ。すでに離職率の上昇に支出しているのであれば、それが起きたときに得られる価値を最大化した方がいいだろう。退職面接はそのための素晴らしい方法だが、日常的には無視されたり、人事部に任されたり、さらに悪いことには分析されたり実行されたりすることのないオンライン調査になってしまう。

 私の同僚や友人に非公式に聞いてみたところ、約10人のうち、別の仕事に就くために退職した後、会社から退職面接を打診された人はまさにゼロだった。その一方で、企業は社員の離職理由に対して懸念を示していると聞くが、これに関する最も明白で正確なデータを与えてくれる「社員に離職の理由を尋ねること」を企業はしていない。

 私が話を聞いた人の半数以上は、退職面接には喜んで参加すると答えており、退職の理由から、間もなく過去の雇用主になろうとしている会社の好きなところや嫌いなところまで、さまざまな質問に喜んで正直に答えてくれるだろう。採用活動や求人市場調査、データ収集には多額の資金を投じながら、取得コストがゼロに近く、最も豊富な情報源の1つを無視している企業があることには驚くばかりだ。

適切な質問をしよう

 企業が退職面接に積極的でない理由の1つは、退職する社員の評判が悪かったり、何らかの形でチームや雇用主を裏切ったりしたという見方に基づいているようで、恐らく退職面接は報復的で悪意に満ちたものになるだろうという前提がある。私はこれまで何十回も退職面接を行ってきたが、緊張感があったのは1回だけで、多少ぶっきらぼうではあったものの、批判は概して筋の通ったものだった。

 退職面接を敵対する相手との対話と捉えるのではなく、その社員の貢献に感謝し、今後の活躍を願って面接を始めよう。それが本物であると仮定して、離職する社員からの意見に基づいて組織を改善することへの関心を表明しよう。自分が話すよりも、社員の話を聞こう。どんな批判を受けても、個人的なものとして受け取らないようにしよう。防御態勢になるのではなく、社員の悩みの根源を理解するよう努めよう。通常、給与に対する不満は唯一の要因ではないことが多い。もう少し掘り下げてみると、貴重なデータが得られるかもしれない。

 複数の社員に共通する傾向やテーマを探してみよう。1人の個人が経営陣について懸念しているからといって、最高経営責任者(CEO)に電話するタイミングだというわけではないが、経営陣が社員に対して関心がないようなそぶりを見せていることや、チームリーダーがチームを軽視していたりすることを頻繁に耳にしているのであれば、こうした懸念は把握して対処する価値がある。

すぐにフィードバックを実行に移そう

 フィードバックを収集し、テーマを特定し、緩和策を実行に移せば、退職面接の魔法が使えるようになる。これは現在の離職率を下げるだけでなく、あなたの組織がこれからもっと魅力的な職場になるようにするものだ。さらに、退職する社員には、あなたの組織で働いている友人がまだいるかもしれない。どうしたら改善できるかについての退職する社員の考えに興味を持ち、その考えを実行に移すだけで、従業員名簿に残っている人々に伝わるだろう。要するに、これは数時間の電話連絡だけで実行できる、必ず成功する数少ない活動の1つということだ。

翻訳校正:LightField Studios/Shutterstock
翻訳校正:LightField Studios/Shutterstock

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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