SDN/ネットワーク仮想化

SD-WANの採用が拡大--性能とコストのバランスがとれたハイブリッド型が人気

ITリーダーを対象とした調査で、SD-WANの採用が急速に進んでいることが明らかになった。プライベート型とパブリック型を組み合わせて、料金と性能のバランスがとれたハイブリッド型を検討している企業が多いという。

 IT部門の意思決定者を対象に実施された調査で、SD-WANテクノロジーが企業にとって急速に新しい標準になりつつあることが示されている。特に、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに起因する在宅勤務への大規模な移行について考えると、その傾向が顕著だという。

 SD-WAN(Software-Defined Wide-Area Network)を利用することで、社内ネットワークの範囲をリモートオフィスや在宅勤務者にまで拡大できる。これには2つの方法がある。ルーターを使用してある場所と別の場所を直接接続する専用回線経由のプライベートなSD-WANと、ISPの回線を回線スイッチングやパケットスイッチングと組み合わせてデータを送信するパブリックなSD-WANだ。

 ソフトウェア定義ネットワークを手がけるMasergyの依頼でAltman Solonが実施した今回の調査では、79%の企業が何らかの形でSD-WANを使用中であることが明らかになり、その割合が2026年までに92%に拡大するとみられている。それらの企業の58%は、ハイブリッドアクセスモデルを使用して、パブリックSD-WANとプライベートSD-WANの長所と短所のバランスをとることを計画中だ。

 このレポートでは、プライベートSD-WANは極めて高価だが信頼性と安全性が高く、パブリックSD-WANはその逆で、コストを大幅に抑えられるが安全性と安定性は劣る、と指摘されている。

 現在、自社で完全にプライベートなSD-WANを使用していると答えたIT意思決定者はわずか17%で、5年後も完全なプライベートSD-WANを使用するいう回答は16%だった。パブリックの数字も同様で、16%が完全にパブリックなSD-WANを使用中で、27%が5年以内に採用を計画している。

 一方、ハイブリッドSD-WANは現在、SD-WAN市場の67%を占めているが、今後5年で完全なパブリックアクセスに数%のシェアを奪われた後、先述の58%という数字に落ち着く見通しだ。パブリックSD-WANのユーザーの55%は、アプリケーションのパフォーマンスが不十分で、コストの節約に見合わない品質問題があるため、ハイブリッドモデルに移行する用意があると回答した。プライベートSD-WANのユーザーは65%がハイブリッドに乗り換える意向があると答えており、その理由として、リモートワークの拡大と費用対効果の改善という希望を挙げた。

 要するに、ハイブリッドモデルへの移行に前向きなプライベートSD-WAN利用組織とパブリックSD-WAN利用組織の両方に共通するのは、投資収益率(ROI)だ。ハイブリッドSD-WANでは、特定の従業員やリモートサイトのニーズに基づいてプライベート接続とパブリック接続を使い分ける。

 「今回の調査では、ITリーダーがSD-WAN接続の価値を理解しており、料金とパフォーマンスのバランスが適切でROIの『スイートスポット』を捉えるハイブリッドアクセスモデルに傾きつつあることが確認された」。Masergyの最高技術責任者(CTO)のTerry Traina氏はこのように語る。

 一方、SD-WANの代替技術であるSecure Access Service Edge(SASE)は、多くのITリーダーの盲点となっている。回答者の82%がSASEを知っていると答えたが、これがどのようなものか、自社にどのような影響があるのかを深く理解していると回答した人はわずか32%だった。

 SD-WANと対照的に、SASEはクラウドネイティブのエッジコンピューティングのアプローチによって、オフィスネットワークを拡大する。長期的にはSD-WANよりも優れた選択肢になる可能性があり、Gartnerは2024年までに40%の組織がSASEを使用するようになると予測している。2018年の時点で使用していた組織はわずか1%だった。

 「この調査では、誰もが経験から何となく気づいていたことが確認された。SASEをめぐって、まだ多くの混乱がある」とTraina氏は述べた。SD-WANは広く採用されている成熟したテクノロジーだが、SASEにすぐに取って代わられるかどうかはまだ分からない。

提供:Getty Images/iStockphoto
提供:Getty Images/iStockphoto

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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