コラボレーション

「Fluid」コンポーネントとアプリの連携--MSが見据える共同作業の未来

マイクロソフトは、新しい形の共同作業を実現する技術として、オープンソースの「Fluid Framework」に期待をかけている。先ごろ、Fluidコンポーネントがプライベートプレビューとして利用可能になった。

Fluidをすべての人に

 Fluid Frameworkはオープンソースであるため、Fluidコンポーネントをサードパーティーアプリに組み込んで、Microsoft 365の「SharePoint」(Teamsはこれを使用)や、新しい「Azure Fluid Relay」サービス(1セッションあたり何百人ものユーザーにスケールできるマネージドサービス)、その他のFluidサービスを、同僚の間で変更を同期するためのバックエンドとしても使用できる。あるFluidバックエンドと連携するように構築されたFluidコンポーネントは別のFluidバックエンドとも連携するので、組織はAzure Fluid RelayサービスやローカルFluidサービスの独自のインスタンスを使用可能だ(ただし、共同作業をする全員が同じFluidサービスを使用して連携する必要がある)。

Azure Fluid Relayサービス。
提供:Microsoft
Azure Fluid Relayサービス。
提供:Microsoft

 Fluidコンポーネントを構築する開発者は、付箋やCADファイルベースの3D分解図など、さまざまな種類のFluidデータも独自に作成できる。

 Microsoftは、TeamsとOutlookでFluidを使用するデモのほか、Autodesk、Officeatwork、Monday Coffeeが作成したプロトタイプアプリも紹介した。これらのアプリは、Fluidをさまざまな種類のリアルタイムコラボレーションに使用する。Autodeskは、2人が同じ3Dオブジェクトを見ながら、相手の見ているビューを確認できるCADビューアーを披露した(2人が同じ画面の前にいるときのように指し示すことができるので、議論が容易になる)。同社の3Dビューアー(そしてFluidデータの状態を示すインスペクター)は、オープンソースのFluid Frameworkの一部になった。

Fluidに組み込まれたAutodeskの共同作業用3Dビューアーのプロトタイプ。
提供:Microsoft
Fluidに組み込まれたAutodeskの共同作業用3Dビューアーのプロトタイプ。
提供:Microsoft

 「当社の顧客は皆、チーム、ツール、業界をまたいだ共同作業が可能になることを望んでいる」。こう述べるのは、AutodeskのチーフプラットフォームアーキテクトのArno Zinke氏だ。「将来、ビルの建築家は、他の建築家、デザイナーやメーカー、さらには窓や冷暖房空調設備などの部品のサプライヤーとも、より直接的な共同作業をするようになるだろう。この(共同作業の)すべては、同じデータ、最新のデータに基づいて、リアルタイムで行われる」

Fluidにより、Officeatworkの動的プレースホルダーの共同編集がOffice内で可能になる。<br>
提供:Microsoft
Fluidにより、Officeatworkの動的プレースホルダーの共同編集がOffice内で可能になる。
提供:Microsoft

 Officeatworkは動的プレースホルダー用OfficeアドインのFluidのプロトタイプを紹介した。動的プレースホルダーは、適切なロゴ、会社情報、公式の署名ファイルなど、すべてのドキュメントで一貫性を保つ必要のあるデータを配置する。データはSharePointに保存することも、「Power Automate」フローや「Logic Apps」、他の基幹業務データストアから収集することも可能だ。Azure Fluid Relayサービスを使用すると、Officeatworkの管理センターで働く2人の従業員が、複数の人に使用される署名を共同で作成し、同じプレースホルダーに編集を加えられるようになり、編集内容がユーザーに対しても動的に更新される。

 Fluidコンポーネントを使ってTeams用アプリを構築したい開発者は、標準のTeams SDKでアプリをパッケージ化し、Microsoft 365テナントに組み込まれる「Fluid Library for Microsoft 365」を使用できる。組織が独自のAzure Fluid Relayサービスを立ち上げるのを待つ必要はない。したがって、それらのアプリはOfficeのシングルサインオンを使用して「Microsoft Graph」からデータを取得し、「OneDrive」とSharePoint(「SharePoint Fluid Service」を使用)に格納されるFluidファイルにデータを保存できるため、データはMicrosoft 365テナント内にとどまる。アプリをTeamsにインストールしてTeams会議に追加すると、会議の参加者全員がFluidファイルにアクセスして共同作業できるように、権限が設定される。

 「Teamsの会議拡張ポイントにより、Fluidを活用したコラボレーションを組み込む最適な場所が得られる」とFluid担当プログラムマネージャーのDan Roney氏は述べる。

MondayCoffeeによるTeams向けFluidプロトタイプアプリ。Teams会議でメモの共有が可能。
提供:Microsoft
MondayCoffeeによるTeams向けFluidプロトタイプアプリ。Teams会議でメモの共有が可能。
提供:Microsoft

 MondayCoffeeが披露したのは、Fluid Framework Librariesを使用してTeams向けに構築した会議メモツールのプロトタイプだ。構造化された共有ドキュメント内で、会議に関するメモを参加者全員が作成できる。情報がデータベースに書き込まれるため、特定のプロジェクトに関して下されたすべての決定や、「Planner」タスクに自動的に変換されるアクションアイテムを簡単に追跡できる。

 そのプロトタイプは、共有の付箋などの追加機能とともに、間もなくMondayCoffeeのTeamsアプリに追加される予定だ。

 Azure Fluid RelayやFluid Library for Microsoft 365を使用したい開発者や組織は、プライベートプレビューに申し込める。Fluidコンポーネントはウェブアプリにすぎない。Fluidは、「React」「Angular」「Vue」といったVueフレームワークと連携し、ウェブライブラリーにラップされたコラボレーション機能を備える。共有ドキュメントでFluidコラボレーションを試してみたいだけの人は、最初の「Fluid Office」プレビューをまだ利用可能だ。あるいは、Fluid Frameworkプレイグラウンドで、Fluid画像ギャラリー、ブレインストーミングアプリ、さらには共有の数独ゲームを試してみてもいいだろう。開発者はFluidプロジェクトをコピーして、独自アプリの構築を開始できる。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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