人事・労務

オフィスの今後--ServiceNow CEOが考えるハイブリッドな働き方を採用しない危険性

ハイブリッドワークの時代を迎えた今、企業はオフィス空間に対するアプローチを大きく見直す必要がある。

 ハイブリッドワークの時代を迎えた今、企業はオフィス空間に対するアプローチを大きく見直す必要がある。ServiceNowの最高経営責任者(CEO)であるBill McDermott氏は、同社が開催したイベント「Knowledge 2021」でアナリストや記者団に対し、「もはや誰もオフィスで働きたいとは思わない」と語った。

 企業のオフィスビルはこれまで、従業員が日常業務をこなし、その業務が完了したことを管理職が確認するための場所だった。この2つの基本的な目的は、施設が郊外の小さなオフィスであろうと、巨大な企業キャンパスであろうと、建物が単一のオフィスばかりであろうと、オープンな間取りであろうと、オフィスがエンジニア、会計士、グラフィックデザイン、あるいはその全てで占められていようと、変わることはなかった。しかし、Bob Dylanが歌として後世に伝えているが、「時代は変わる」。そして、そろそろその時が来たようだ。

デジタル変革がCOVID-19に対処する

 クラウドサービス、オンラインコラボレーションツール、ITのコンシューマライゼーションをはじめとする数多くのデジタル変革技術のおかげで、企業は必要な業務を遂行するために、従業員を1カ所に囲い込む必要はもはやなくなった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な大流行によってもたらされたほぼ完全なリモートワークへの移行は、特に知識労働者にとって、これが真実であることを示した。

 また、筆者が話を聞いた企業幹部は皆、ハイブリッドワークやリモートワークは、新たな日常の一部になるだろうと予想している。例えば、パンデミック後も社員にリモートワークの機会を与え続けるかという質問に対し、米TechRepublicのCIO Juryでは100%が「そうする」と答えている。

 つまり、先述したように、業務を遂行するための物理的な場所を提供するというオフィスの第1の目的は、もはや現代にそぐわなくなっている。

 では、従業員が業務を完了したことを管理職が確認するという第2の目的についてはどうだろうか?これも技術が解決している。ソフトウェア開発からPRキャンペーンの立ち上げに至るまで、今日のプロジェクト管理ツール、オフィス生産性アプリケーション、企業向けソフトウェアは、管理職や企業幹部に、従業員の生産性に関するかつてないほど多くの情報を提供している。

 Salesforceの調査によると、大多数のリモートワーカーは、実際に生産性やコミュニケーション能力が向上しているという。同様に、Prodoscore Research Council(PRC)が2021年3月に発表した報告書でも、2020年には在宅勤務をする人が大幅に増えたにもかかわらず、従業員の生産性は実際に向上したことが明らかになっている。

 このように、オフィスビルの第2の伝統的な目的も説得力に欠くと判断できる。

コラボレーションを中心としたオフィスの再構築

 そこで疑問なのは、物理的なオフィスが将来も存在するのだろうか、ということだ。少なくとも当面の間は、答えは「イエス」だ。ZoomとSurvey Monkeyが2月に実施した調査では、リモートワーカーの65%が、在宅勤務をする場合とオフィスに行く場合とで時間を分けたいと考えていることが分かった。

 しかし、私たちはオフィスの機能に対する考え方を大きく変える必要がある。

 McDermott氏は発言の中で、2024年までに労働人口の75%がミレニアル以降の世代になることや、こうした若い世代は「最も生産性の高い方法で」働きたいと考えており、「素晴らしい体験をするための柔軟性を求めている」ことを指摘している。

 「私はオフィスビルをコンピューターやスマートフォンのように考えている」とMcDermott氏。「それはツールだ。そして、そのツールが皆さんと同僚を結びつけ、アイデアを出し合い、協力し合い、革新し合うことができるとしたら、素晴らしいことだ。しかし、忙しそうにタイムカードを押し、だだっ広いオフィスでウロウロしながら時間を無駄にしたいとは、誰も思わない」(同氏)

 McDermott氏の意見は、パンデミック時に実施された複数の調査からも支えられている。

 Morning ConsultとVerizonが2021年3月に実施した調査では、米国人の10人中7人が、1年後には少なくとも週に1〜2日はリモートで働きたいと考えていることが分かった。Salesforceが5月に公表した報告書によると、回答者の59%がハイブリッドワークによって「心理的な健康状態が向上する」と感じ、54%が「身体的な健康状態が向上する」と感じていたという。LiveCareerが1月に実施した調査では、3分の1近く(29%)の従業員が、リモートワークが認められなくなったら退職すると回答した。

 McDermott氏は、柔軟でハイブリッドな働き方を採用しない企業の危険性を2つに分けて説明する。

 まず第1に、顧客満足度を損なうリスクだ。

 McDermott氏の言葉を借りれば、ミシュランの3つ星の顧客満足度を得るためには、企業はまずミシュランの3つ星の従業員満足度を得なければならないという。

 第2に、優秀な人材を失ったり、採用できなかったりするリスクだ。

 「最高の人材を集めたいのであれば、企業の管理方法に柔軟性を持たせなければならないだろう」とMcDermott氏は語る。「私たちは、まったく新しい世代をIT業界、特にServiceNowに呼び込みたいと考えているが、誰もがハイデラバードやサンディエゴ、サンタクララに移住できるわけではない。優秀な人材はシカゴにいるかもしれない。アトランタにいるかもしれない。マイアミにいるかもしれない。ヒューストンにいるかもしれない。オースティンにいるかもしれないし、世界中のあらゆる場所にいるかもしれない」

提供:Everett Collection/Shutterstock
提供:Everett Collection/Shutterstock

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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