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コロナが加速した消費者の変化--勝ち残るのは優れたアイデアを実現した企業

コロナ禍により消費者は変化したが、企業はそれにどう対処したら良いのか。Eコマースに関する調査結果を発表したセールスフォース・ドットコムに話を聞いた。

 ECという側面を切り取れば、クレジットカードなどを用いてオンライン決裁するペイメントゲートウェイの重要性が増加するものの、笹氏は「モバイルやウェブ経由であれば苦労はない。それよりも米国のロジスティクスは問題だ。サイバーマンデー(米国の感謝祭を記念して翌月曜日から開始するECサイトのセール)などで注文が殺到すると1週間も商品が届かず、自動車で荷物を受け取りに行くケースが少なくない。ここにコロナ禍が後押しする形でカーピックアップ文化が米国で発展したように理解している」と説明し、日米ロジスティクス事情の差異を指摘した。

 昨今はECサイト経由ではなく、企業が消費者と直接取り引きする「D2C」に注目が集まっている。コロナ禍の外食機会減少に伴い、食品メーカーや飲食店経営企業のD2C活動に焦点があたり、本調査でも200%まで増加したことが分かった(2019年3月〜2020年3月までの生活必需品をデジタル購入増加割合)。

 一見するとチャネル増や新たな購買市場の設立と目に映るが、笹氏は「たとえば現在は(緊急事態宣言などから)飲食店でアルコールを提供できない。すると、アルコールメーカーは、自社ブランドを維持するために顧客ロイヤルティーの維持に注力しなければならない。他方で食品は大規模小売店でもECサイトでも目にする商品は限界があり、どうしても定番商品に寄ってしまう。固定客を持たない企業や商品は、広告や検索などを通じたブランド認知向上に注力しないと、戦略を用意しないでD2C市場に参入しても、鳴かず飛ばずとなる」と警告した。

 D2Cの課題についても、「これまでは店舗スタッフの商品説明などから購買につなげてきたが、D2Cになるとブランド(を持つメーカー)側の行動が求められる。たとえば通信販売でしか購入できない商品を用意するなど(既存チャネルと)差別化する企業戦略を持たなければ厳しい」と指摘する。

 本調査では「2025年までに5件中1件の購入が従来型コーマスから離れた『エッジ』で行われる」と購買体験の変化を見込んでいる。SFDCは店舗以外のチャネルを用いた購入を「エッジでのショッピング」と呼称し、コロナ禍でデジタルを活用した購入機会が増加するという。たとえば試してみたい商品をスマートフォンの拡張現実(AR)機能で室内に3D映像を映し出し、サイズやフィット感を試す「インタラクティブショッピング」や、カメラの向こうで販売員が商品を試しながら、仕上がりや効果を体験できる「ライブコマース」などを指す。

 中国では有名な販売員がブランド香水を紹介し、数分間で1万5000本が購入された。笹氏は「日本はまだ浸透していないが、顧客体験に新テクノロジーを組み合わせる」販売方法が国内でも増えていくと予測した。

 アフターコロナについて尋ねると、「人は刺激を求めて店舗を訪れ、街へ出向き、目にしたことのない商品を探しているからこそ、コロナが加速させたOMOに注目すべきだ。たとえば慣れ親しんだ店員が引っ越した場合、現実世界では終わりだった。OMOの世界ではスマートフォンやPCの画面で商品が紹介され、どのように使えるかARで確認できる」と自身の見識を述べた。

 「企業努力で利便性と心地良い体験を追求し、どのような技術を組み合わせていくかが重要。企業が変わらないと消費者は(エッジショッピングを)体験できない。今後は優れたアイデアを実現した企業が勝ち残ると思う」

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