開発ツール

「Google I/O」で発表された新機能やニュース--開発者が知っておくべきこと

「Google I/O 2021」が先ごろ開催された。開発者向け基調講演では、「Android」プログラマーやウェブ開発者、機械学習の専門家が知っておくべきニュースが多数発表された。

 米国時間5月18日、「Google I/O 2021」が開幕した。開発者向け基調講演では、「Android」プログラマーやウェブ開発者、機械学習の専門家が知っておくべきニュースが多数発表された。

 GoogleのAndroidデベロッパーリレーションズ担当ディレクターのJacob Lehrbaum氏はAndroid開発者に対して、「Android 12」に備えておくよう伝えた。Lehrbaum氏はAndroid 12について、Androidの歴史で「最も大きなデザイン変更の1つ」と説明した。そのため、開発者は新しいUI要素以外のものも学習する必要がある。

 ユーザーがアプリのデータリクエストを監査できる機能(先頃リリースされた「iOS 14.5」のプライバシー機能に似ている)など、ユーザーの安全を守る新しい機能群が追加されている。開発者は、自分のアプリがどのように監査されるのかを詳しく学び、d.android.com/auditで自ら監査をテストできる。

 Android 12では、リソースを節約するためにバックグラウンド作業を制限する新しい「Standby Buckets」(スタンバイバケット)も追加されており、悪意あるアプリが緩い要件を悪用するのを防ぐために、フォアグラウンドサービスを開始する方法に制限を加えている。開発者は、これらの新機能に加えて、カスタマイズ可能な起動アニメーションやストレッチオーバースクロール効果などの新しいUI要素にも対応する準備をしておく必要がある。Android 12の開発者ベータ版はすでに提供が開始されている。

 Androidアプリ開発に関する最大の発表は、GoogleのネイティブUIツールキット「Jetpack Compose」の1.0リリースが7月に提供されることだ。Jetpackは、既存のコードと互換性があり、既存のアプリに追加できる。さらに、「Wear OS」や、サムスンの「Galaxy Z Fold 2」のような大画面の折りたたみ式デバイスもサポートするようになった。Jetpack Composeの新しいヘルスサービスプラットフォームも5月18日よりアルファ版になった。

「Chrome」のAPI

 ウェブ開発者は、今後のいくつかの変更を把握しておく必要がある。これには、デバイス周辺機器へのアクセスを可能にするChromeの新しいハードウェアAPI、テスター向けに提供が開始された新しい「Privacy Sandbox API」、サードパーティーのクッキーをChromeから段階的に全廃していくGoogleの計画などが含まれる。

コアウェブバイタル

 これらの変更は大きなものかもしれないが、基調講演でのウェブに関する発表は、それらとは比べものにならないくらい重要なものだった。2021年夏、ランキングの計算方法に変更が加えられ、Googleが「コアウェブバイタル」と呼ぶものが追加される。Googleによると、コアウェブバイタルは、インターネットユーザーにウェブサイトが高速だと感じさせる3つの要素、つまり、読み込み速度と応答性、視覚的安定性で構成されるという。これらの新しいSEO要件の影響を受ける可能性がある開発者は、web.devにアクセスして、それらの詳細を確認し、現在のスコアを確認できる。

「Flutter 2.2」に関するニュース

 GoogleはFlutter 2.2のリリースも発表した。同UIツールキットの今回のアップデートでは、デスクトップのサポートが改善されたほか、ウェブアプリによってメモリーがどのように割り当てられているのかを表示する開発ツールも追加された。また、Null安全が新たにアプリ開発でデフォルトになり、「Flutter」で設計されたアプリとGoogleサービスの統合が強化された。

「Firebase」の新機能

 Firebase開発プラットフォームにもいくつかの新機能が追加されている。最も印象的なのは、「Remote Config」の新しい「Personalization」要素だ。Personalizationは、Androidのデバイス上の機械学習機能を使用し、必要に応じてアプリの最適なリモート設定をユーザーに自動的に配信する。Firebase開発者がやらなければならないのは、さまざまな設定オプションを提供することだけだ。その後は、Personalizationがアプリユーザーを監視して、エンゲージメントを高められそうな設定を判断し、それに合わせて設定オプションのさまざまな側面を調整する。

 Remote ConfigのPersonalizationが機能する仕組みを示す例として、Androidゲームを見てみよう。開発者が2つの難易度モデルを構築すると、Personalizationは、そのアプリのユーザー固有のインスタンスにどの機能を含めるべきかを決定し、難易度が上がりすぎない範囲で最も困難な課題を提示できる。

新しいマネージド機械学習プラットフォーム「Vertex AI」

 開発者向け基調講演におけるすべての発表の中で最も重要なものが最後に登場した。GoogleはVertex AIと呼ばれる新しいマネージド機械学習プラットフォームの提供を開始した。報道によると、この新しいプラットフォームは、ユーザーデータセットなしで機械学習モデルを訓練することが可能で、開発者はオンラインコンソールでモデルをテストできるという。また、透明性を向上させるために、モデルが何に基づいて予測を行っているのかを示すメトリクスも提供されるという。

 Vertex AIを使用すると、開発者はパイプラインを構築して、MLシステムの予測と更新、変更の公開を自動的に管理することもできる。基調講演では、その例として、Vertex AIで構築されたスパムフィルターが機能する仕組みが示された。このスパムフィルターは、攻撃者の戦術の変化を検知して、それらの新しい戦術に適応できるように訓練を行い、変更をプッシュする作業のすべてを自動化されたワークフロー内で実行できる。

Google I/O 2021での発表について詳しく知るには

 Googleは開発者向け基調講演において、比較的短い時間で多くの情報に言及した。本記事で紹介した新機能や発表について詳しく知りたい開発者は、GoogleのI/O 2021公式ウェブサイトにアクセスして、本記事で取り上げたトピックに関する開発者向け基調講演とブレイクアウトセッションのオンデマンド動画を視聴してほしい。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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