ウェブ会議

予測されるハイブリッドイベントの増加--仮想形式の足りない部分を補う

2020年は多くのイベントが仮想形式に移行したが、対面式の良さを加えたハイブリッド形式でのイベントが2021年には計画されるという。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に大流行する中、展示会、スポーツイベント、コンサート、その他のライブイベントは中止されていたが、多くの人々がワクチンを接種し、企業がその向こう側に光を見出し始めている今、技術カンファレンスや展示会などのイベントを復活させる新たな計画が進行中だ。

 「イベント業界では、2020年に大きな変化があった」と語るのは、対面、仮想、ハイブリッドでのイベント用プラットフォームを提供するBizzaboの共同創設者で最高マーケティング責任者(CMO)兼最高コミュニケーション責任者(CCO)のAlon Alroy氏だ。「仮想イベントへの移行は、この1年で最も注目すべき重要な点だった。対面式が復活しても、仮想イベントはイベントプログラムの構成要素として残ることは疑う余地がない」

 Alroy氏によると、Bizzaboが最近発表した報告書「Evolution of Events Report」では、COVID-19を受けて、75%の主催者がイベントを仮想形式に移行したと述べているという。一部のイベントは延期や中止になったが、大多数のイベント企画者はデジタル空間を受け入れた。

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 「また、主催者と参加者の双方が、何らかの形で対面式のイベントを再開したいと考えていることも明らかになった」とAlroy氏。「700人の参加者を対象に調査した結果、仮想イベントでは人脈の構築や知識の習得ができない参加者が増えていることが分かった。主催者側から見ると、イベント企画者の約68%が、仮想世界での最大の課題は、参加者のエンゲージメントや人脈構築の機会を推進することだと答えている」

 コーヒー片手に人から人へと挨拶を交わして知り合いになったり、20人や30人いる部屋で経験を共有したりする能力は、ビデオ通話では失われてしまう。実際、2020年の間、ビデオ通話に参加し続けなければならなかったことで、かなりの数の労働者がビデオ通話に疲弊していると感じていた。スタンフォード大学のコミュニケーション学教授でバーチャルヒューマンインタラクション研究所の設立者であるJeremy N. Bailenson氏は、ビデオ通話で疲弊する主な理由として、過剰な量の至近距離の視線、認知的負荷、自分の映像を見つめることによる自己評価の増加、身体的移動の制約の4つを挙げている。

 これを踏まえ、マーケティング担当者は現在、2021年向けにハイブリッドイベントを計画しており、対面式イベントと仮想イベントの融合を目指している。

ハイブリッドイベントモデルとはどのようなものなのか?

 恐らくハイブリッドイベントでは、遠く離れた専門家やリソースを結び付けるバーチャル会議の広い到達範囲や能力を、ベンダーブースやデモンストレーション、ランチ、対面での人脈構築の機会がある展示会のような物理的なイベントに組み合わせることになるだろう。

 「イベント業界にとって、2020年は確かに試行錯誤の年だった」とAlroy氏は述べる。参加者がそれぞれの方法でコンテンツに関わることのできる仮想イベントもあったが、対面式のイベントには、人と人とのつながりや対面でのやり取りから、朝のコーヒーを手に取るときのワクワク感まで、主催者や参加者が懐かしく思うようなさまざまな側面があった」

 このような考えがハイブリッドイベントの追い風となっている。また、ビデオイベントに関する重要な役割が企業のIT部門のビッグデータ戦略に組み込まれることにもなる。

 「イベントの仮想的な側面は、この1年における仮想イベントとやや似ているが、大きな違いがある」とAlroy氏は言う。「イベント主催者は、従来通り仮想イベントツールを活用し、基調講演やセッションをストリーミング配信したり、遠隔地の視聴者が参加できるようなインタラクティブな要素を盛り込んだりしながら、他方で対面式とオンラインの参加者の両方に対応する機会を設けることもあるだろう。これは、仮想空間でしかアクセスできないコンテンツを含むユニークな対面式の体験をイベント参加者のために生み出し、対面式とオンラインの参加者の双方が知り合いなったりイベントのコンテンツと触れ合ったりする機会を融合させることを意味する。重要なのは、オンラインの参加者と直接の参加者の双方に、目的に沿った共通の体験を生み出すことだ」

企業はその準備ができているか?

 自社イベントを主催する企業は、物理的な活動と仮想的な活動の最適な組み合わせを模索しながら、マーケティング、IT、外部ベンダーが協力してイベントを実現させるため、2021年も試行錯誤が繰り返されるだろう。

 「今はこの業界にいるのに刺激的な時期だ」とAlroy氏。「イベント企画者やマーケティング担当者が、参加者のためにどのように素晴らしい体験を企画し続けているのか、心から楽しみにしている。今こそ、専門的なイベントを定義し直し、破壊する時だ。・・・人生で唯一普遍なのは変化であり、これはイベントという回転の速い世界では特に言えることだ」(同氏)

提供:iStock/metamorworks
提供:iStock/metamorworks

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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