SCM インフォアジャパン株式会社

スエズ座礁事故が象徴--輸送の不確実性に対応するサプライチェーンのあり方

現在のサプライチェーンについてインフォアジャパン幹部は「運用負担増や輸送の不確実性に対応するスマートロジスティクスを模索している状態。調達物流、製品物流、構内物流の連携を実現している企業は多くない」と語った。

 インフォアジャパンは4月14日、記者説明会を開催。製品の原材料や部品の調達から製造、在庫管理、配送、販売までの全体の流れである“サプライチェーン(供給連鎖)”分野の最新動向を解説した。

インフォアジャパン 執行役員 ソリューションコンサルティング本部 本部長 石田雅久氏
インフォアジャパン 執行役員 ソリューションコンサルティング本部 本部長 石田雅久氏

 製造業向け統合基幹業務システム(ERP)や倉庫管理システム(WMS)、サプライチェーン管理システム(SCM)を提供する同社 執行役員 ソリューションコンサルティング本部 本部長 石田雅久氏は「国内物流は効率化や運用規模の拡大が必要。すでに大手物流センターは、WMSやRTLS(リアルタイム位置情報システム)で大量物流のハンドリングに取り組んでいる」と昨今の状況を説明する。

 その上で「運用負担増や輸送の不確実性に対応するスマートロジスティクス(物流)を模索している状態。調達物流、製品物流、構内物流の連携を実現している企業は多くない」(石田氏)と課題を指摘しつつ、デジタルサプライチェーンの価値を強調した。

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グローバル物流の約12%を遮断したスエズ座礁事故

 複数の企業間で統合的な物流システムを構築することで経営の効果を高めるためのものであるサプライチェーン管理にもデジタルトランスフォーメーション(DX)の波が訪れている。コロナ禍によるグローバルサプライチェーンの分断や人的不足を補うための可視化や工程最適化など、デジタル活用が急務の課題だとインフォアジャパンは力説する。

 くしくも3月下旬に発生したスエズ座礁事故は、海上輸送が約8割を占めるグローバル物流の約12%を遮断し、多くの企業に影響を与えた。同社はサプライチェーンを可視化するSCM/WMSである「Infor Nexus」を用いることで、「輸送船やコンテナの積み荷の詳細を顧客が把握し、(事故などの)状況をリアルタイムに可視化するInfor Nexusなら、サプライチェーンの停滞や代替手段を用意する土台になり得る」(石田氏)と説明する。

 インフォアジャパンが提示したデータによれば、2020年11月時点のコンテナ需要は前年同期比で162%。輸送需要も太平洋やアフリカ、南米、オーストラリア、アジア域内の輸送料金が230%まで増加し、アジアと北欧間の40フィート級ハイキューブコンテナ1台あたりの料金が1万ドルを突破。その背景には「コロナ禍で貨物機が飛ばないことによる船舶輸送の需要増や積み荷増」(石田氏)があるという。

 利用需要の増加と対応する資源不足の関係は安定性の欠落を生み出し、「スケジュール通りに(輸送船舶が)稼働せず、(サプライチェーンの各所で)品不足が発生する。あわせて国内は輸送を担うドライバーに代表される労働者不足や港の混雑も発生するようになった」(石田氏)

インフォアジャパン ソリューションコンサルティング Infor Nexus営業本部 佐藤泰氏
インフォアジャパン ソリューションコンサルティング Infor Nexus営業本部 佐藤泰氏

 インフォアジャパン ソリューションコンサルティング Infor Nexus営業本部 佐藤泰氏はSCMが抱える課題として、「エコシステムとしてシームレスに稼働する仕組みが求められている」と状況を分析し、“計画、実行、検知と応答”の3要素で見直しを図るべきだと提言する。

 計画段階では統合ビジネス計画(Integrated Business Planning:IBP)やセールス&オペレーションプランニング(S&OP)を明確にして、需要予測を踏まえた供給計画や生産スケジュールの同期と最適化に努める。

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