IoT

エッジはデジタルとフィジカルが交わる場--エッジコンピューティングの可能性

アカマイが開催したイベントでは、インターネットに対するパンデミックの影響が議論された。デジタルとフィジカルの体験を結びつけることが求められるようになり、そこでエッジが大きな役割を果たすという。

 Akamaiが先ごろ開催した「Edge Council Round Table」の主要なトピックは、パンデミックがインターネットに及ぼす影響についての考察だった。「オンラインでのユーザー体験が変化した」。コンテンツ配信ネットワークとストリーミングメディアの専門家であるDan Rayburn氏はこう述べているが、デジタルテクノロジーの応用と、変えることのできない対面での人間的な体験を結びつけることが重要だ。カンファレンス、スポーツイベント、ライブショーなどに「人々が再び集まるようになるだろう」

 「これまでに起きたさまざまな変化はすべて途方もないものだった」とRayburn氏は語る。「それについては言うまでもない」。同氏によると、企業は「エッジで行っていることを実際に活用」できるようになったという。

 パンデミックによって、「全く新しい消費者の声」がオンライン取引に届いている、とAkamaiのエッジ製品およびビジネス戦略担当シニアバイスプレジデントのLelah Manz氏は述べた。Manz氏によると、2020年より前はAmazonの北米でのリーチが拡大し、同社が商取引で優位に立っていたという。しかし、Amazonは確かに成長を続けたが、「他のブランドの商取引のシェアも拡大した。これが意味するのは、新しい消費者がオンラインに来ているという事実を、他のブランドが実際に利用したということだ。ニッチなブランドが多数登場して、成功を収めている」

 同氏はその一例としてカーブサイドピックアップを挙げた。「これは、デジタル体験全体をフィジカルな体験と組み合わせたものだ」

 Manz氏は、パーソナライゼーションがすぐにオンラインショッピングの特徴になったと述べ、その理由として、サイトが過去の注文のリストを顧客に提供できるという点を挙げた。これは極めて大きな価値があることだった。多くのブランドが「とても良い仕事をした」と同氏は語る。

 しかし、同氏は即座に課題も指摘し、「こうした体験を大きな規模で、そして摩擦のない方法で提供するために本当に必要なものに関しては、まだまだやるべきことが多いと感じている」と述べ、ワクチンの流通と食料品店に言及した。レストランも営業を継続する方法を見つけなければならなくなった。以前はサイトでギフトカードを提供していただけだったが、パンデミック下では、メニューとマーケティング材料を「取引を促進し、そして、取引を大規模に促進するものに対して実際に」提示することを学ばざるを得なかった。

 Akamaiの製品マーケティング担当バイスプレジデントであるAri Weil氏によると、ビジネスリーダーは需要の急増を評価してその計画を立て、サプライチェーンベンダーとうまく連携できるようにする必要があるという。

 「ビジネスのフットプリント、多くの小売業者、食料品店、さらにはメディアパブリッシャーの基盤となる一元的なインテリジェンスについて考えるなら」、彼らの視界について考えてみよう。「視界には否応なくユーザーが入ってくる。洞察や知見をユーザーから得ているからだ」。Weil氏は物流に優れている企業としてAmazonを挙げる。理由は「同社の持つ視界が非常に広範であるから」だ。UPSとFedExは「配送を最適化するためにアルゴリズムを最適化する」が、「それは両社が非常に多くのものを見ているためだ」と指摘した。

 新しいデジタルサービスとそれらが登場した経緯も、検討すべき重要な資産だ。「Disney+」の契約者数は15カ月で0人から1億人になった。

 Weil氏はAkamaiの「エッジ」の定義について説明し、「ユーザーやデバイスがオンラインに接続して、コンテンツや体験と関わる交点だ」と述べた。

 安全性とセキュリティも進化するトレンドになるだろう。「エッジはセキュリティポリシーと制御を適用する理想的な場だ。これにより、エンドユーザーに対して、低遅延、高性能、スケーラブルな体験を引き続きサポートすることが可能になる」とManz氏は述べた。

 エッジテクノロジーグループの製品管理担当シニアディレクターのMo Aboul-Magd氏によると、エッジは「別の展開モデル」だという。従来、「コードを展開する領域は2つ」あり、1つは中央のクラウド環境で、もう1つはJavaScriptやHTMLを使用するデバイス自体だ、とAboul-Magd氏は語る。「ブラウザーは何かをダウンロードするたびにコードをダウンロードしている。実質的に、エッジはその中間にあるすべてのものを開放する」

 Manz氏はさらに次のように語った。「エッジによって選択性が解放される。何らかのサービス、特にマイクロサービスや、特定の機能を運用している場合、その機能を処理する最適な場所は、スケール、遅延、パフォーマンスのニーズに基づいて判断できる。エッジは遅延の影響を最も受けやすいパフォーマンスアクションやロジックを処理するのに適した場所だ」

 カーブサイドピックアップのように、多くの取引がデジタルとフィジカルを組み合わせて、今後も存在し続けるだろう、と同氏は述べた。「なぜなら、私たちの習慣が変化し、期待することが変わって、生活がよりシンプルになっているからだ」

 「こうした体験の一部がオンラインに移行しつつあり、洗練度が増しているが、人々の関心を引き続けるには、規模を拡大するだけでなく、提供を早めて没入的なものにしなければならない」とManz氏。「それが次の課題になりつつあると思う。その課題を解決することになるのがエッジだと、われわれは心から信じている」

提供:iStock/Prostock-Studio
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この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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