ウェブ会議

ZoomがビデオSDKを提供--ビデオ会議は「新常態」の中核に

Zoomは、自社プラットフォームのビデオコンポーネントをインフラストラクチャーとして提供し、開発者がエンタープライズアプリケーションの構築に利用できるようにした。

 Zoomは基本的なビデオ会議にとどまらず、自社のプラットフォームをエンタープライズアプリケーションに組み込むことを目指し、開発者向けの新たなツールを発表した。

 Zoomのビデオソフトウェア開発キット(ビデオSDK)を利用すれば、開発者は、同社プラットフォームのHDビデオ、オーディオ、インタラクティブ機能を使って、独自のネイティブインターフェースを持つビデオベースのアプリケーションを構築できる。

 これにより、企業はZoomミーティングクライアント全体を構築することなく、Zoomのコアビデオコンポーネントを「インフラストラクチャー」として使用しながらカスタムアプリケーションを作成できる。

 ビデオSDKは「Zoom Developer Platform」の最新のコンポーネントとなる。同プラットフォームは、アプリケーションの構築やZoomアプリケーション上での統合に向けたAPI、SDK、チャットボットなどのツールを既に提供している。

 Zoomの最高技術責任者(CTO)であるBrendan Ittelson氏は、開発者向けプラットフォームへの最新のコンポーネントについて、Zoomプラットフォームの規模と信頼性の恩恵を受けたいと考える企業に、完全な形での同社ミーティングアプリケーションに縛られることなく、柔軟性を提供するための取り組みだと言う。

 「それは、基本的にインフラストラクチャーとしてのビデオであり、アプリケーションの上に構築でき、Zoomは背後で機能する」とIttelson氏は米TechRepublicに語っている。

 一例として、銀行はビデオSDKを使ってデジタルサービスにビデオチャットの要素を組み込み、ローン申請書などの重要な書類を通して顧客と話すことができるとIttelson氏は説明する。そのほか、医療機関では、基盤となるビデオコンポーネントとしてZoomを使用し、リモート診察サービスを構築できる。

 Ittelson氏は、新たな機能について、Zoomプラットフォームを基本的なビデオ会議クリエイターから、エンタープライズアプリケーションエコシステムへの統合を深化させるものへと移行させる取り組みだと示唆する。

 「これまでのZoomを振り返ってみてほしい。Zoomは成長し、ある種のキラーアプリケーションを持っていたが、今ではキラーアプリケーションを超えてプラットフォームへと移行している。つまり、ビデオファーストのコラボレーションソリューションを探している企業のために、我々はそれを提供する。開発を行いたいユースケースがあればそれも可能だが、単にシステムの背後にあるインフラストラクチャープロバイダーとして当社を必要としているのであれば、そういった選択肢もある」(Ittelson氏)

 ZoomはDeveloper Platformを利用している開発者の数を明らかにすることはできなかったが、Ittelson氏によると、現在「App Marketplace」で公開されているアプリケーションは1000を超えているという。

 Developer Platformの最新のアップデートでは、より詳細な分析機能が追加され、開発者は自身のアプリケーションの性能や使用状況を把握できるようになった。

 Ittelson氏は、「これは確かに興味深い分野であり、当社は開発者コミュニティーへの投資を継続し、開発者が成功と成長のために必要とするツールとリソースを提供したいと考えている」と言及した。

 2020年に企業がほぼ一夜にしてリモートワークの導入を余儀なくされたことで、Zoomは多数の新規顧客を獲得した。

 ビデオ会議は、同僚が顔を直接合わせずに交流し、共同で作業する上で極めて重要であることを証明した。しかし、最終的にオフィスに戻ることは避けられないため、Zoomやその他類似のビデオプラットフォームへの影響は依然不透明だ。

 それにもかかわらず、Ittelson氏は、特に自宅とオフィスの両方で仕事をする場合、メッセージングやコラボレーションソフトウェアの長期的な使用を伴う可能性が高いため、利用が急激に減少するとは考えていない。

 「この1年で明らかになったのは、ビデオが新常態や新たな業務環境の中核を成すものになりつつあるということだ」とIttelson氏は言う。

 「当社はビデオファーストのコラボレーションが今後も続くものと確信しており、当社は成長し続けると信じている」(Ittelson氏)

 Ittelson氏は、Zoomは2020年の大半をセキュリティとプライバシーの基準を強化するために費やしてきたが、今後もセキュリティが同社の発展の中心であり続けるだろうと述べている。

 同氏は、「セキュリティとプライバシーは当社のDNAの中に埋め込まれており、現在、設計の段階から全ての作業に組み込まれている」と言う。

 「これは当社が顧客に提供しているあらゆることにおける焦点であり、今後も焦点であり続ける」(Ittelson氏)

Zoomは開発者向けに、自社のプラットフォームを一種の「ビデオ・インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス」として提供している。提供:Zoom
Zoomは開発者向けに、自社のプラットフォームを一種の「ビデオ・インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス」として提供している。
提供:Zoom

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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