人材管理 ビズリーチ

広島県福山市、IT人材データベース構築--副業や兼業で参加できる人材を可視化

広島県福山市は自治体初となる「副業・民間人材登用データベース」を構築する。同市のITプロジェクトに登用できる民間人材のスキルや経験、実績などの情報を可視化して蓄積することで、新プロジェクトへの登用スピードを上げる。

 ビズリーチ(渋谷区)は3月25日、広島県福山市が自治体初となる「副業・民間人材登用データベース」を構築するため、同社の人材活用プラットフォーム「HRMOS」を提供し、その有効性を実証することを発表した。

 福山市は、2017年に地方自治体で初めて民間人材を副業・兼業で公募している。これまで4回の募集で10人の民間人材を採用しており、9人が現在も活躍しているという。民間人材が関わったプロジェクトには、インバウンド振興を目的としたデジタルマーケティング、ICT戦略に関するアドバイスといったデジタル関連プロジェクトも多く含まれている。

 「累積の応募人数は約1200人。民間人材の中に副業で自分の能力を別な形で発揮したい、自己実現につなげていきたいという強い思いがあるのがわかった」と広島県福山市市長の枝広直幹氏は述べる。また、応募の半数以上が首都圏からだったという。

 民間人材を積極的に採用してきた福山市だが、デジタル関連プロジェクトが増加するなか、「民間人材の適切・スピーディーな登用」という新たな課題が生じたという。これまで福山市は、民間人材を適切かつスピーディーに登用しづらい状況にあり、その理由として、(1)関わった民間人材のスキルや経験などの情報がアナログで管理されており、新たなプロジェクトへ登用したいときに情報が可視化されていない、(2)プロジェクトごとに採用が必要となり、時間や費用といった採用コストがかかる、という点があったという。

 このような理由から、福山市は、「HRMOS」を活用し、副業・民間人材の適切かつスピーディーな登用を目的としたデータベース構築に取り組む。

 HRMOSは、人材情報や従業員情報の一元化と可視化を可能にするクラウドサービスで、柔軟なデータベース設計ができることが特長。福山市は、HRMOSを活用したデータベースを構築することで、民間人材のスキルや経験、実績、評価といった情報を蓄積して可視化することで、必要な時に適切な人材をスピーディーに登用できる仕組みづくりを目指すとしている。また、民間人材をプロジェクトごとに採用するのではなく、これまでに関係性を構築した人材を効果的に登用することで、採用コストの削減にもつなげていく。

「副業・民間人材登用データベース」
提供:ビズリーチ

 HRMOSで人材管理をするメリットについて、ビズリーチ代表取締役社長の多田洋祐氏は、クラウドサービスによる「セキュリティ」、検索を容易にする「情報の一元管理」、人手によるミスを防ぐことを可能にする「効率化」を挙げる。

 今回の取り組みは、福山市が開始する「ふくやまデジタルパートナー制度」の第1弾として実施されるものとなっている。同制度は、福山市のデジタル化や先端技術の社会実装の取り組みに共感し、協力する企業などを登録し、専門的なノウハウなどを積極的に取り入れることでデジタル化の推進を図るものだと同市は説明する。

 「副業・民間人材登用のデータベース」の構築は、まず、福山市のプロジェクトに関わった副業・兼業の民間人材の情報を本人の許諾を取ったうえで登録し、個人情報を保護しながら運用を開始するという。将来的には、ふくやまデジタルパートナーに登録される民間人材の情報も可視化していく予定になっている。

 ビズリーチ会員を対象にした調査によると、民間デジタル人材の8割が「行政のデジタル化」に関する仕事に興味があると回答しているが、4割以上が行政のデジタル化に副業・兼業での関わりを希望しているという。一方、地方自治体も約6割がデジタル人材に週1〜3回の働き方を希望していると多田氏は述べる。「副業・兼業で民間人材を採用するという”福山モデル”こそ有効な手段であり、福山市にそのノウハウが蓄積されているのではと考えている」(同氏)

情報のイメージ
提供:ビズリーチ

 内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター内閣参事官の上田光幸氏は、今回の取り組みについて、「自治体がデジタル化を進め、その際に民間人材の登用を促進するという動向は、IT人材、セキュリティ人材にかかる政策動向に先駆けた具体的な試みとして注目している」と述べる。

 政府では、2021年9月にデジタル庁の創設を予定するなど、「デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会」をビジョンとして、デジタル改革を進めることになっていると上田氏。「社会のデジタル化においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)と同時にセキュリティ対策が組み込まれる”DX with Cybersecurity”が重要だ」(同氏)

 「福山市とビズリーチのプロジェクトを1つの契機として、プロフェッショナル人材の活躍、ひいては、福山市をはじめとするさまざまな場でデジタル化が大いに推進され、素晴らしいモデルケースになることを期待している。そして、このような先進的な取り組みが全国に広がり、日本の”DX with Cybersecurity”が進むことを期待している」(上田氏)

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