クラウドサービス 財務・経理

FinOpsの定着状況--大きな成長を遂げつつも課題も

FinOps(クラウド財務管理)は、企業やクラウド利用が複雑であるほど必要性が高いが、大多数の企業ではまだ初期段階にある。FinOps Foundationの調査結果から明らかになった。

 読者の皆さんが楽観的か悲観的かによって、FinOpsとしても知られるクラウド財務管理の現状を嘆くこともあれば、歓喜することもあるだろう。FinOpsは大きな成長を遂げているが、今後取り組むべきことがたくさんある。

 FinOps(クラウド財務管理)は、システム、ベストプラクティス、文化を組み合わせ、企業のクラウドコストを把握し、企業がクラウド予算にどのように対応できるのかを判断する能力を高めながら、スピード、コスト、品質の中から企業にとって最善のものを選択して収益を上げるものである。

 このほどFinOps Foundationが発表したデータは、年間のクラウド利用額が合計で450億ドルに上る世界の実践者804人を対象に調査を実施することで、FinOpsの現状を浮き彫りにしている。調査対象者の半数近くが1万人超の従業員を抱える企業関係者であり、企業規模が大きいほどFinOps導入を主導し、推進している可能性が高いことを示している。回答者は、自分がどの程度FinOpsに精通しているかを次のように格付けしている。這い這いレベル/初心者(43.5%)、歩行者レベル/中級者(平均2.5年、41.5%)、ランナーレベル/上級者(平均4年以上、15%)。

 主要なデータによると、FinOpsの人気は急速に上昇しており、企業はクラウド計画を加速しているものの、依然としてクラウド費用の抑制と最適化に課題を抱えていることが明らかになった。この種の報告書の第1弾となる「State of FinOps Report 2021」(FinOpsの現状報告2021)によれば、FinOpsは今や必需品であり、あらゆる規模のクラウド支出において主流となっていることが明らかになった。また、回答者の90%以上がキャリアパスになる可能性が高いとしている。

 FinOps Foundationは、Kubernetes、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)、Hyperledgerなどと同様、Linux Foundationのプログラムだ。プロモーション資料によると、FinOps Foundationの使命は「コミュニティー、ベストプラクティス、教育、標準化を通じて財務管理を行うことができる人々を前進させる」ことだという。FinOps Foundationは、1400社を超える企業に3000人超の実践者メンバーを擁している。

 FinOpsチームの規模は過去12カ月間で75%拡大し(前年は47%の拡大)、次の1年でさらに50%の成長が見込まれている。

 回答者はFinOpsチームの規模が向こう12カ月間で40%以上成長するとみており、FinOpsには投資機会がある。FinOpsチームが直面する機会や課題を理解することで、コミュニティーを支援するための有益で教育的なコンテンツをより良く作成することが可能になる。

 調査回答者の半数近く(49%)は、クラウド支出管理の自動化(FinOpsプラクティスの中核的な分野の1つ)をほとんど、または全くしていなかった。

 自動化をある程度している回答者のうち、3分の1近くは通知(31%)とタグ付けの衛生管理(29%)を自動化していた。規模の適正化を自動化していたのはわずか13%、スポット利用は9%にとどまり、企業はクラウド支出を最適化する機会を逃している可能性があることが示された。パブリッククラウドの処理コストの半分は、最も高価なサービスであるオンデマンド向けで、49%は、コストが次に高い「リザーブドインスタンス」「Savings Plan」「確約利用」を対象に費やされている。最も安価なサービスであるスポット利用は13%にとどまったが、回答者は29%をこうした選択肢の「優れた」ターゲットだとしている。

 最大の課題(40%)は、エンジニアにコストの最適化に取り組ませることであり、次いで共有コストへの対応(33%)、正確な支出予測(26%)となっている。回答者のうち、FinOpsの実践が成熟した「ランナー」の段階にあると答えたのはわずか15%にとどまった。この段階は、構築されたプロセスを継続的に改善できることを意味する。企業の40%は「歩行者」の段階にあり、コアプロセスは実行されているが、成熟度に関しては多くが残ったままの状態であり、44%の企業は「這い這い」の段階で、基本に立ち返っている。

 「ランナー」の傾向としては、3年間の経験があり、41%の割合でFinOpsを主な業務としているが、「歩行者」は経験1年で、FinOpsを主な業務としているのはわずか19%である。

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