AI・機械学習

人工知能入門--パターン認識によって多様なタスクに対応する先端技術

人工知能(AI)は、データのパターンを識別することで、画像認識や予測などを実行できる技術だ。現状で可能なこと、企業での使用例、求められるスキルなどについて説明する。

 人工知能(AI)はビジネスコンピューティングにおける次の大きなトレンドだ。その用途は多岐にわたり、顧客とのチャットに応答する単純なツールから、組織全体の道筋を予測する複雑な機械学習システムにまで使われている。人気の高さが理解度に直結するとは限らず、AIは常に最先端の機能として紹介されているが、誤解されている点が多い。

 ビジネスリーダーがAIの機能や使用方法、導入方法を理解するためには、このコンピューティングテクノロジーの飛躍的な進歩にまつわる通説をまず払拭することが不可欠だ。このAI入門記事で詳しく解説する。

どんなものなのか

 AIについて思い浮かべると、「新スタートレック」の「Data」、「ターミネーター」シリーズの「Skynet」、「銀河ヒッチハイク・ガイド」の神経質なアンドロイド「Marvin」など、SFロボットの世界に引き込まれてしまいがちだ。

 しかし、AIの現実はフィクションと全く違う。人間の知性を再現した完全自律型の思考機械ではなく、限られたタスクを実行するようにコンピューターに教えて、人間と同様の判断をさせているのが現在であり、人間のような推論ができる段階には程遠い。

 現代のAIが実行できるのは、画像認識、人間の自然言語と書き言葉のパターンの理解、さまざまな種類のデータの接続、パターンの異常の識別、戦略化、予測などだ。

 すべての人工知能は、パターン認識という1つの中核的な概念に行き着く。どのような用途や種類のAIであっても、パターンを識別し、そのパターンに基づいて推論をするという単純な能力が中心にある。

 知性という言葉の定義に照らせば、AIに真の知性はない。考えることができず、推論能力がなく、好みを言うことはないし、意見を持たない。また、訓練された非常に狭い範囲の外側では、何もできない。

 だからといって、AIは企業や消費者が現実の問題を解決するうえで役に立たないわけではなく、先に適切なデータを与えなくても、実際に独力での判断や結論への到達ができるようになるには、まだまだ時間がかかるというだけのことだ。人工知能は現時点でも驚くべき技術だが、人間の知能や真の知的な行動はまだ到底再現できない。

何ができるのか

 AIの強みは、人間によって訓練されたタスクを極めてうまく実行する能力にある。MicrosoftとAlibabaは人間よりも読解力に優れたAIマシンを独自に構築した。Microsoftには、同社の人間の開発者よりも正確に音声を認識できるAIがある。また、一部の研究者は、AIが50年以内にほぼすべてのことで人間の能力を上回るようになると予測している

 とはいえ、こうしたAI製品に真の知性があるわけではない。ミスをしがちな生物である私たちよりも効率的に、人間がやるようなタスクを実行できるだけだ。たとえば、音声認識AIに画像認識のタスクを実行させようとしても、完全な失敗に終わるだろう。すべてのAIシステムは非常に限定されたタスク向けに構築されており、それ以外のことをする能力は備えていない。

 2020年前半にCOVID-19のパンデミックが始まってから、人工知能と機械学習の使用が急増した。その背景には、リモートワークを余儀なくされた従業員や、パンデミックの財務的な負担が原因で解雇した従業員の穴を、企業が急いで埋めようとしていることがある。

 パンデミック下においてAIの導入が短期間で進んだことで、AIにできる重要なことがもう1つ浮き彫りになった。それは人間の労働者に取って代わることだ。Gartnerによると、現在、79%の企業がAIプロジェクトを検討、または試験運用しているという。つまり、それらのプロジェクトはCOVID-19後の発展の初期段階にある。パンデミックがAIに与えた影響は、優先順位と用途の変化だ。パンデミック後のAIプロジェクトは、財務分析や消費者インサイトではなく、顧客体験とコスト最適化が中心になる、とAlgorithmiaは指摘した。

 顧客体験とコスト最適化は、AIの他の用途と同様に、パターン認識をベースとしている。顧客体験に関して、AIボットは多くの基本的な顧客サービスタスクを実行できるため、従業員は人間の介入が必要なケースだけに対処すれば済むようになる。パンデミック下では雇用者がコールセンターで働けなくなり、企業の顧客サービス部門に負担がかかっていたため、このようなAIが特に広範囲で採用された。

ビジネスでの用途にはどのようなものがあるか

 現代のAIシステムには素晴らしい能力があり、どのようなビジネスタスクや問題解決演習に適しているかは、容易に想像がつく。定型的なタスクであれば、極めて複雑なものであっても、人間より正確かつ迅速に実行できる可能性がある。ただし、AIがSFレベルの推論を実行できると期待すべきではない。

 ビジネスの世界ではAIがさまざまな用途に使われているが、ビジネス分析とその最終目標である処方的分析ほど注目を集めている用途はおそらくないだろう。

 ビジネス分析は、企業の現状をモデル化して、今の道筋を維持した場合の到達点を予測し、特定の変化を考慮して潜在的な未来をモデル化することを目指す、一連の複雑なプロセスだ。AI時代が到来する前の分析は、長い時間がかかる面倒な作業で、範囲が限定的だった。

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