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クラウドインフラ支出、2020年第4四半期に399億ドル--前年同期比で100億ドル増

Canalysの調査によると、クラウドインフラ支出は、2020年第4四半期に399億ドルとなり、前年同期比で約100億ドル増加したという。

 Amazon、Microsoft、Googleといったクラウドプロバイダーは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のロックダウンによって自宅に避難する人が増えたことから、2020年の売り上げを大幅に伸ばした。

 調査会社Canalysは米国時間2月2日に発表した報告書の中で、2020年第4四半期にクラウドサービス業界の売上高が399億ドルに達したとしている。第3四半期からは30億ドル超、2019年第4四半期からは100億ドル近く増加しており、ドル建てでは同業界の四半期最大の伸びとなった。

 Canalysは、COVID-19のロックダウン期間中に顧客からの支出が増加したことに加え、チャネルパートナーがクラウドサービスの売り込みや販売で大きく貢献したことが売り上げの急増に奏功したと考えている。さらに、経済への信頼感が徐々に回復したことで、企業はクラウドプロバイダーへの移行をはじめとするデジタル改革への投資を拡大した。

 2020年全体では、クラウドサービスへの総支出は1420億ドルに上り、2019年の1070億ドルから33%増加した。当初、コンサルタントが主導するデジタル改革プロジェクトは停滞していたにもかかわらず、需要は予想を上回っていた。

 CanalysのリサーチアナリストであるBlake Murray氏は、「クラウドを中心としたデジタル化は加速しつつある」とプレスリリースの中で述べている。「企業は今、ビジネス変革に予算を投入することへの確信を強めつつある。アプリケーションの近代化、SAPの移行、ワークプレイス変革を中心に、2020年前半に延期された大型プロジェクトの優先順位が見直されている」(Murray氏)

 Murray氏は、クラウドサービスへの需要がすべての業種、特に医療、金融サービス、医薬品で好調だったと言及した。しかし、小売業や製造業といった感染症流行の影響を最も受けた業界も、投資をクラウドに向けつつある。

 中堅中小企業(SMB)もまた、業務の維持とコスト削減のため、クラウドへの支出を増やしている。コロナウイルスワクチンの登場によりビジネスにおける信頼感は高まるに違いないが、リモートワークやリモート学習は生活に浸透している。このような事情で、クラウドサービスへの依存は今後も続くだろう。しかしCanalysは、クラウドに移行する際のセキュリティ問題やその他の課題については、顧客の意識が高まるものと見ている。

 クラウドサービスへの支出の増加は、調査会社Synergy Research Groupも強調しており、2020年第4四半期の売上高は370億ドルで、第3四半期より40億ドル増加し、2019年第4四半期との比較では35%増加したとしている。この増加により、クラウドサービス市場はわずか2年強で事実上2倍の規模になったとSynergy Researchは述べている。

 Canalysによると、全てのクラウドサービスプロバイダーの中で、Amazon Web Services(AWS)が引き続き群を抜いており、2020年第4四半期の市場シェアは31%だったという。混迷した第3四半期を経て、AWSは顧客の支出が復活し、2019年の同期との比較で28%増となる120億ドル超の売上高につながった。AWSは独立系ソフトウェアベンダーへのサポート強化、新たなバーティカルパートナー機能の追加、SMBへの導入を促す拡大の強化など、世界的なパートナー関係への投資を行っている。

 Microsoft Azureは2020年第4四半期に約80億ドルの売上高と20%の市場シェアを獲得し、AWSからの遅れを取り戻そうとし続けている。カスタマーサクセス投資や照準を絞ったインセンティブなどを通じ、Microsoftはあらゆるタイプの顧客に対してAzureのけん引力を高めようとしてきた。また、Azure上で稼働する「Teams」や「Windows Virtual Desktop」をはじめとするサービスの需要が高まったことからも恩恵を受けている。

 第3位を占めたのはGoogle Cloudで、2020年第4四半期の市場シェアは7%、売上高は30億ドル前後だった。同社は、独立性、持続性、マルチクラウド管理に焦点を当てたオープンクラウド戦略を推進している。また、Googleは機械学習、アナリティクス、データ管理などの分野に特化した専門知識を持つパートナーネットワークの構築にも積極的に取り組んでいる。

提供:Canalys
提供:Canalys

 小規模なクラウドプロバイダーも需要増の恩恵を受けている。

 Synergy ResearchのチーフアナリストであるJohn Dinsdale氏は、「AmazonとMicrosoftは市場に影を落とす傾向があり、Amazonは市場シェア30%超を維持し、Microsoftは16四半期の間に10%から20%へとシェアを伸ばしている」とプレスリリースで述べている。「しかし、この2社を除いた残りの市場も年間30%以上の成長を続けており、多くの小規模クラウドプロバイダーに成長の機会があることを示唆している」

提供: iStock/alexmillos
提供: iStock/alexmillos

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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