人事・労務

リモートワークでの生産性向上--課題となる項目

ソフトウェア企業Nintexの調査によると、従業員はリモートワークにうまく対処しているが、依然として多くの課題に直面しており、その上位にはテクノロジーや柔軟性といった項目が挙がっているという。

 リモートワークへの移行はスムーズとはいえなかったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによってオフィスから離れることを余儀なくされてから1年が経とうとしている今(確かにそれだけ長い時間が経っている)、ほとんどの人が新たな作業ルーティンに適応する方法を見つけている。

 私たちは現状に満足しているわけではなく、かといって在宅勤務を紛れもなく成功させるために必要なものが何もかも揃っているわけでもない。実際、在宅勤務に対する従業員の不満は、テクノロジー、生産性、個人の健康といった点で、パンデミックが始まってからほとんど変わっていないようだ。

 ソフトウェア企業Nintexが1000人超の米国人労働者を対象に実施した調査によると、大多数の従業員はリモートワーク環境にうまく対処しているものの、依然として多くの課題に直面していることが分かった。その上位には、テクノロジー、柔軟性、時間、メンタルヘルス資源といった問題が挙がっている。

 3分の2以上(67%)の従業員が在宅勤務でより多くの仕事をこなしていると答える中、50%の従業員は自分でスケジュールを設定したり、作業ルーティンを自由に変更できたりするといった、より柔軟な仕事のスケジュールが生産性の向上に役立つと回答している。

 また、ハードウェアも課題として挙げられていた。回答者の44%は、ノートPC、モニター、キーボード、ヘッドセットといったホームオフィス用のより良い機器があればもっと効率的に仕事ができると答え、37%が反復作業を自動化できるソフトウェアが欲しいと訴えた。

 また、英気を養う時間が増えることも、生産性を向上させる可能性があると考えられている。回答者の37%は週の労働時間を減らせば生産性が上がると答えた一方で、34%は週4日勤務になっても同じだと答えた。

 Nintexは、年齢層によって優先順位が異なることを発見した。例えば、Z世代の55%は、最も生産性を高めるのは仕事の自動化を支援するソフトウェアだと回答している。ミレニアル世代では、より優れたハードウェアが上位を占め、半数(50%)はノートPCやモニター、その他のホームオフィス機器が欲しいと訴えている。

 X世代では、主に柔軟性のある仕事のスケジュールが生産性の鍵であると答えた人が56%を占め、団塊の世代の大多数(42%)は、給与が上がればもっと効率的に仕事ができると答えた。

 団塊の世代はまた、労働生活を向上させる点においては、何よりもお金を尊重している。2021年に仕事を最も改善するものは何かとの問いに、54%が「昇給」だと回答。一方、その他の年齢層では、より良い設備に投資するための会社支給があれば、労働生活が改善すると回答した。

 Nintexは、高齢世代はより高い給与と引き換えに、リモートワークをしながら「いつも通りの仕事」に耐える傾向が強いと結論づけている。一方、若い世代は仕事を改善するための再考の手段としてリモートワークを捉えている。

 報告書は、「団塊の世代が定年に近づくにつれ、職場は若い世代のニーズを満たし、行動に調和するために進化していく必要がある」としている。

 Nintexはまた、在宅勤務が一般的に好ましい経験となっているにもかかわらず、従業員のオフィスへの復帰を望む傾向が強まっていることも明らかにしている。

 オフィスへの復帰計画を発表した企業の従業員の半数以上(56%)は、こうした見通しに「大変期待している」と答えているが、51%はリモートワークを永久に行うことができれば労働生活が改善すると回答。

 Nintexは、「こうした結果は、私たちの現状を縮図的に反映しているかもしれない。COVID-19危機による対人距離の確保から、多くの人々が人とのつながりを求め、非効率で時間のかかる過去の作業ルーティンに郷愁を感じている」と述べる。

 「そして、当面の間はこれらの変数は全てはっきりしないままであるという事実が、従業員の精神状態を逆方向に引っ張っているようだ。最終的に1つはっきりしているのは、従業員が永続的な柔軟性を求めているということだ。従業員はオフィスに戻ることを楽しみにしているが、在宅勤務中に享受していた多くの利点を維持したいと考えている」(Nintex)

メンタルヘルスと生産性

 Nintexの報告書は、COVID-19流行中のリモートワークが従業員のメンタルヘルスに与える影響についても考察している。

 調査回答者の半数近く(49%)は、リモートワーク中にいつも以上に悲しみや孤独を感じていると答え、56%はパンデミックに関連した外的な出来事が仕事での生産性に影響を与えていると回答している。

 ソフトウェア企業HubSpotによる最近の調査でも、同様の結果が報告されている。世界中のフルタイムのリモートワーカー1000人を対象にした調査では、パンデミックが始まって以来、31%がバーンアウト(燃え尽き)やストレスを感じていると報告し、38%はメンタルヘルスが仕事ぶりに悪影響を及ぼしていると報告している。

 HubSpotは、バーンアウトやメンタルヘルスの不調が職場の評価に与える影響について、従業員が不安を感じていることを明らかにした。「家庭での現状を十分に考慮せずに業績が評価されるのではないかと心配している」という問いに対して26%が同意し、18%は強い同意を示した。

 Nintexの報告書は、従業員ウェルビーイングを支援するためのメンタルヘルスサポートやツールを提供することで、生産性が向上する可能性があると結論づけている。

 「米国のほとんどの労働者は休暇の余裕があるにもかかわらず、休暇を取っていない。有給休暇の使用を奨励し、従業員にメンタルヘルス資源や医療オプションを提供することに加え、企業はウェルビーイングデーの設置を検討すべきであり、このウェルビーイングデーを休日のように扱うべきである」(Nintex)

自宅で仕事をすることは、いまだに一筋縄ではいかないと感じている人もいる。
提供:Tijana Simic/ iStock
自宅で仕事をすることは、いまだに一筋縄ではいかないと感じている人もいる。
提供:Tijana Simic/ iStock

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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