「Excel」はこれまでずっと、ビジネスユーザーがコードの記述に使用するツールだった。その数式とセル構造のおかげで、複数の結果を簡単に連結して、最終的に複雑なアプリケーションになるものを構築し、データの統計的分析や数値分析ができる。数値データ専用ではなく、フィルターやクエリーによって、シンプルな表形式のデータベースとして容易に使用できるため、情報の抽出にも役立つ。SQLではないとしても、同様の役割を果たしていた。
「Access」や「Lotus Notes」などのツールも同じように、非常に短いコードで複雑なアプリケーションを構築可能だった。問題を解決するにあたり、プログラマーである必要はなく、オフィススイートに組み込まれたツールに精通していればよかった。マクロや数式、「Visual Basic for Applications」のような機能を利用することで、誰でも開発者になることができた。
そうした概念が消失することはなかったが、一部の基盤技術は進化を遂げ、「JavaScript」は「Python」のような現代的なスクリプト言語とともに、開発ツールとしての重要度が高まっている。「Web 2.0」の動きを受けて、多くの開発者やプラットフォームがAPIについて考えるようになり、APIファーストのアプローチをコードに採用して、あらかじめ用意されたコードブロックをグラフィカルなキャンバス上のビルディングブロックとして扱えるようになった。これらの新しいノーコードツールが既存のローコードツールと共存し、ワークフローをAPIとイベント処理ブロックから素早く構築可能になっていった。

提供:Image: Microsoft
「Power Platform」でアプリのギャップを埋める
Microsoftの「Power Platform」の新しいローコード/ノーコードツール群はこれを発展させたもので、UI作成、ビジネスプロセス自動化、データ処理のツールを提供する。これは現在の人口動態の変化に良く合致している。今の新入社員は、「Minecraft」のようなオープンワールドの建築ゲームで育った世代だ。ローコードツールはMinecraftの世界と違うように思えるかもしれないが、同じように作業環境を自由に構築することができる。
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