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kintoneでデジタル化--「餅は餅屋」で業務効率高めた東京ドームの独自性

東京ドームはイベントの管理業務やECサイトの構築、運用に「kintone」を活用。業務を効率化し、日々改善している。

 新型コロナウイルスが拡大し、リアルイベントは軒並み中止になってしまった。ドーム球場の「東京ドーム」をはじめ、遊園地「東京ドームシティ アトラクションズ」や総合アミューズメント施設「LaQua(ラクーア)」などの運営管理を行っている東京ドーム(文京区)も、その影響をもろに受けてしまった。

 例えば、東京ドームが企画する「ふるさと祭り東京」というイベントも中止なった。同イベントは、日本全国のお祭りと美味しいものを楽しむイベントで、例年40万人以上が来場している。東京ドームもそうだが、約1000社の出展者も販売チャンスがなくなるのでダメージが大きい。そこで東京ドームは「ふるさと祭り東京」のブランドを活用したECサイトを立ち上げ、出展者を支援することになった。

 1カ月の強行軍でECサイトを立ち上げた初日、売り上げをまとめて出展者に送るという作業に3人がかりで6時間もかかってしまい、このままでは立ち行かなくなることが判明。そこでPaaS「kintone」を活用し業務効率を改善。1週間後には1人で1時間作業するだけでよくなった。

 今回は、東京ドームがkintoneを導入し、残業の削減やペーパーレス化、ECサイトの業務効率向上、取得物管理の改善などを実現した経緯を、東京ドーム マーケティング戦略部 マーケティングコミュニケーショングループ 課長代理 望月秀吉氏と、ITベンダーのミューチュアル・グロース(千代田区)のセールスプロモーション部 部長 澤田周五郎氏に話を聞いた。

紙に忙殺されていた業務フローをペーパーレス

 望月氏は2011年から東京ドームで行われるイベントの管理、運営を行っていた。「ふるさと祭り東京」だけでなく、日本最大級の“器の祭典”である「テーブルウェア・フェスティバル」なども手がけている。出展者を誘致したり、企画したりしていたのだが、大きな課題を抱えていた。

 イベントの管理業務は、仕事が多岐にわたり、残業時間が長くなってしまうのだ。望月氏は、いろんなツールを使ってみたり、個人的にExcelのマクロを勉強したりしてなんとかしようとしていた。

 そんな中、2018年にはkintoneをはじめとするプロダクトや導入事例の紹介、講演やセッションで毎年大いに盛り上がるサイボウズ(中央区)が主催するイベント「Cybozu Days」に参加したという。望月氏はそこでkintoneに出会った。

 仕事のやりかたを抜本的に変える必要があると感じていた望月氏は、kintoneに興味を持ち、試用してみることに。使えると判断したので、イベントチームのマネージャーに話を通して、2019年春に本格導入することになった。

 「最初はイベントを制作しているチームに入れました。いわゆるスモールスタートです。最初は自分で問い合わせ管理や顧客マスターのアプリを作りました」(望月氏)

 従来は、問い合わせ内容はアルバイトスタッフがノートに書いていたが、特に共有されることはなかったという。しかし、kintoneアプリにノウハウを蓄積できるようになり、前年の情報を元に充実したQ&Aを作れるようになった。そのため、2020年のイベントではスムーズに回答できるようになったそうだ。

 最初は周りに「kintoneとは何か」を理解してもらうところにハードルがあったという。そのため、まずは直属の上司をサイボウズに連れて行き、説明をしてもらったそう。自分で説明するよりも「いいね」と思ってもらうためだ。導入決定後は、チームのメンバーにもサイボウズが開催する無料セミナーの受講を勧めた。こちらも、活用のイメージを持ってもらうという効果があったという。

東京ドーム マーケティング戦略部 マーケティングコミュニケーショングループ 課長代理 望月秀吉氏
東京ドーム マーケティング戦略部 マーケティングコミュニケーショングループ 課長代理 望月秀吉氏

 業務負荷が高かった出展者の申請管理アプリ群は専門家の力を借りて作成した。これは、望月氏の座右の銘「餅は餅屋」に従ったという。テーブルウェア・フェスティバルのイベントプロデューサーを担当した2012年、当時のベテラン上司に倣ってさまざまな企画や図面を提案したものの、散々な結果になったと振り返る。

 「その時、一緒に仕事をしていた外部のプロデューサーに『望月君はその上司とは違う。君は僕たちみたいなプロを使って、自分の叶えたいことをやった方が向いている』と言われました。そこが原点ですね」(望月氏)

 そこでサイボウズに相談すると、数社のパートナーを紹介してもらった。それぞれ、自分のしたいことを伝えて話を聞いてみると、パートナーごとにアプリ単位での課金が発生したり、しっかりとカスタマイズしたシステムが得意だったりと、いろいろな開発スタイルがあることがわかった。

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