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「Raspberry Pi OS」最新版--Chromiumブラウザー向上でビデオ会議がより快適に

「Raspberry Pi OS」のアップデートが公開された。「Chromium」ブラウザーはバージョン84に更新され、ビデオ会議プラットフォームとの互換性が向上している。

 Raspberry Pi Foundationが年末のソフトウェアアップデートの提供を開始した。このアップデートは、さまざまな微調整や変更、改善をオープンソースの「Raspberry Pi OS」(以前の「Raspbian」)にもたらす。

 最初に紹介するのは、同OSの「Chromium」ブラウザーのアップデートで、バージョン84に更新されている。これにより、YouTubeなどの動画ストリーミングサイトでの再生品質が向上するはずだ。Raspberry Pi Foundationは、「Google Meet」や「Microsoft Teams」「Zoom」などのビデオ会議プラットフォームとChromiumの互換性を高めるため、いくつかの修正も施した。これらすべてが「Chromium for Raspberry Pi」で円滑に機能するようになっているはずだ、と同財団は述べた。

 ほかのOSと同様、Raspberry Pi Foundationも数年前からChromiumブラウザーに内蔵してきた「Adobe Flash Player」を廃止しようとしている。プリンシパルソフトウェアエンジニアのSimon Long氏は、「Adobeは米国時間2020年12月31日をもってFlash Playerのサポートを終了するので、これがFlash Playerを含む最後のリリースになる。ほとんどのウェブサイトでは、すでにFlash Playerが不要になっているので、誰も廃止に気付かないことを願っている」と語った

 Raspberry Pi OSに施された変更は、ほかにもある。OSのサウンドサーバーが「Advanced Linux Sound Architecture」(ALSA)から「PulseAudio」に変更された。これにより、OSが複数のソースからのオーディオを処理する仕組みが大幅に改善されるだけでなく、Raspberry PiとBluetoothスピーカーなどのデバイスの互換性も向上する。

 Long氏の説明によると、ALSAが音声を処理する仕組みが原因で、Raspberry Piのオーディオは長い間、小さな問題になっていたという。具体的には、ALSAは一度に1つの入力と1つの出力しか処理できないので、ウェブブラウザーのオーディオの再生に使用されている場合、同時に別のアプリやプログラムのオーディオを再生することができない。

 「同様に、YouTube動画の音声をHDMIからUSBサウンドカードに切り替えたい場合も、動画の再生中は切り替えることができない。切り替わるのは、音声が停止してからだ」(Long氏)

 「さらに重要なのは、ALSAではBluetoothオーディオを全く処理でないため、ALSAベースのシステムでBluetoothデバイスとオーディオをやりとりするだけでも、ほかのさまざまな拡張機能や追加のソフトウェアが必要になることだ」

新しいRaspberry Pi OSには、「Chromium 84」が搭載されている。提供:Raspberry Pi
新しいRaspberry Pi OSには、「Chromium 84」が搭載されている。 提供:Raspberry Pi

 一方、PulseAudioでは、それが可能だ。このソフトウェアは、オーディオハードウェアと音声を処理するアプリケーションの間に鎮座し、さまざまなソースの音声をミキシングして適切な場所に送信することを可能にする。

 「PulseAudioが特に役立つ分野が1つある。Chromiumのようなウェブブラウザーとの間でのオーディオ入力および出力ストリームの管理だ。われわれのテストでは、PulseAudioを使用することで、ビデオ会議セッションのセットアップが大幅に容易になり、信頼性も向上した。Bluetoothヘッドセットとウェブカメラオーディオを使用する場合は、特にそうだった」(Long氏)

 Raspberry Pi OSの最新のアップデートで、PulseAudioはデフォルトで実行される。音量コントロールはほとんど変わっていないが、ユーザーはヘッドセットやスピーカー、マイクなどのオーディオデバイス向けの新しい「Device Profile」(デバイスプロファイル)設定に気づくはずだ、とLong氏は述べた。

 Raspberry Pi OSには、プリンターへの接続と設定を容易にする新しいオプションも追加されている。米国時間12月4日より、「Common UNIX Printing System」(CUPS)と「system-config-printer」の両方がRaspberry Pi OSの一部としてインストールされるようになった。これにより、ウェブベースのアプリケーションからの印刷が容易になるほか、デフォルトのプリンターの追加、削除、および設定や、それぞれのプリンターの印刷キューへのアクセスも可能になる。

 「これにより、プリンターのセットアップと『LibreOffice』などのアプリケーションからの印刷が簡単になるので、Raspberry Piが完全なデスクトップコンピューターになるために欠けていた最後の要素の1つが満たされた」(Long氏)

 最後に、Raspberry Pi OSでは、新しいハードウェアオプション(例えば、LEDや新しい「Raspberry Pi Case Fan」のコントロールなどを設定する機能)をサポートするようになったほか、同OSの「Orca」スクリーンリーダーやそのほかのアクセシビリティー要素も改善されている。Long氏によると、Chromiumブラウザーには、Orcaとの互換性も追加されたという。

 最新のRaspberry Pi OSイメージは、「Raspberry Pi Imager」を使用してインストールしてもいいし、Raspberry Piのダウンロードページからダウンロードすることも可能だ。

伝統に従って、Raspberry Pi Foundationは2020年も年末に最新のOSアップデートをリリースした。
提供:urbancow, Rene Mansi / Getty Images
伝統に従って、Raspberry Pi Foundationは2020年も年末に最新のOSアップデートをリリースした。
提供:urbancow, Rene Mansi / Getty Images

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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