エンタープライズコンピューティング環境で多くの時間を過ごしてきた人なら、ある時点で仮想マシン(VM)を利用した経験があるはずだ。かつてはローカルの仮想デスクトップインフラストラクチャー(VDI)が標準だったが、現在では帯域幅の可用性とクラウドのオプションによってDesktop as a Service(DaaS)の実用性が大幅に向上し、COVID-19が原因でDaaSの魅力がこれまで以上に高まっている。
VDIとはどんなものなのか
仮想デスクトップインフラストラクチャー(VDI)は長年にわたって利用されており、従来は仮想デスクトップを実行する唯一の手段だった。サーバーをデータセンターに配置して、仮想化ソフトウェアをインストールし、マシンを何台か稼働させれば、準備は完了だ。
VDIは中央に配置されるため、ITチームがVDIを管理する責任を負う。これは、ハードウェア、ソフトウェア、ライセンス、展開のすべてが、社内で処理されることを意味する。遅延は最小限で、IT部門がすべてを制御でき、インターネット接続に問題が起きても作業を完了することができる。
とはいえ、VDIに欠点がないわけではない。ハードウェアとソフトウェアを社内で管理できるのは便利だが、VDIシステムでは、あらゆる不測の事態に対処できる専任のITスタッフが必要だ。ハードウェアの不具合やソフトウェアの問題、その他に考えられるどんな問題にも社内で対処しなければならず、それには多額のコストがかかる可能性がある。
DaaSとはどんなものなのか
CitrixのKenneth Oestreich氏が指摘するように、DaaSは「他の誰かが問題に対処してくれるVDI」だ。最も基本的なレベルでは、その意見は正しい。DaaSとは、Citrix、Amazon、VMware、Microsoft、Googleなどの企業がクラウド上でホストするVDIのことだ。DaaSでは、ハードウェアのすべてがプロバイダーによって管理されるため、ラックスペース、ハードウェアの故障、メンテナンスについて心配する必要はない。
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