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セキュリティ責任共有モデルで考える--クラウド利用率18%の真の理由

ガートナーの調査によると、日本のクラウド導入率は平均18%になるという。何がクラウド導入を躊躇させているのか、クニエでディレクターを務める倉橋氏が考察する。

 第3回は、ゼロトラストセキュリティを考察した。その背景には、テレワークやクラウド活用の広がりで守るべき情報資産とその資産へのアクセスデバイスの分散があると述べたが、特にクラウド利用はコロナ禍であろうとなかろうと市場が拡大することが大きな潮流である。ゼロトラストセキュリティの具体的な導入検討は今後進むはずだ。

 しかしながら、日本企業はゼロトラストセキュリティという新たなアーキテクチャへの検討以前、もしくは同時に、クラウドコンピューティングの真の価値とは何かを改めて考え直す必要がありそうだ。

 2020年5月のガートナージャパンの発表によれば、日本のクラウドコンピューティング導入率は、平均すると18%という極めて低い調査結果が出ている。本調査はクラウド機能や環境ごとで平均化しており、極端に利用率の低いクラウド機能があったり、集計が分散したりといった点の考慮など、数字の持つ意味の理解に注意を払う必要はあるが、「クラウドの浸透は相当にスローな状況」という評価となっている。

 総務省による「令和2年 情報通信白書」では、企業における2019年のクラウド利用状況は64.7%となっている。前年から6ポイント増えており、普及期に入っていると捉えて良いだろう。

 しかしながら、平成25年版の情報通信白書では、2012年当時は日米間で1.7倍の格差があり、米国は既に70%を超える導入率であった。今の日本の64.7%という数字は米国の8年前の水準にも至っていないという事になり、「相当にスローな状況」という評価は世界基準から見ると的を射ていると捉えた方が良いだろう。

 このような状況の日本ではゼロトラストセキュリティの検討が早急に進むとは考えにくい。今回は日本企業において、何がクラウド導入を躊躇させるのか、その背景と問題点へのアプローチを考察する。

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