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Slackが解消を目指す「人間とソフトウェアの生産性ギャップ」-- Frontiers 2020基調講演

Slackは先ごろ「Frontiers」カンファレンスを開催し、今後のビジョンなどを明らかにした。

 Slackが舵を切った方向の先には、昔の働き方に戻ってリモートワークの困難な要素に取り組むことはできないという考えがある。同コラボレーションプラットフォームは、新入社員のオンボーディングや外部パートナーとの連携を容易にするさまざまな新機能を構築している。

 Slackの最高経営責任者(CEO)兼共同創設者であるStewart Butterfield氏は米国時間10月7日、2日間の「Frontiers」カンファレンスの冒頭で基調講演を行った。Butterfield氏によると、同社は次の段階として、人間とソフトウェアの間の生産性ギャップを埋めて、古いワークフローを再発明する代わりに新しいワークフローを構築することに注力していくという。同氏は、あるシステムのグラフや画像のスクリーンショットを撮影して、プレゼンテーションソフトウェアに貼り付けた後、そのドキュメントを確認してもらうために電子メールで送信するという、誰もが経験したことのあるタスクに言及した。

 「ステップ3を改善しなければならないこともあれば、ステップ1からステップ11に飛ぶことを目指さなければならないこともある」(同氏)

 同氏が挙げた例には、採用担当者が新しい従業員を雇用した後、複数のビジネスシステムにまたがるだけでなく、電子メールの更新も必要とするワークフローを完了する、というものもあった。

 「これらの生産性ギャップは至る所に存在する。生産性ギャップが見つかるたびに、われわれは改善の機会が見つかったと考える」(同氏)

 同期プロセスを非同期にするツールの開発にも注力する。同氏は日々の業務報告の例を挙げて、一連の報告動画を示した。チームメンバーが都合の良いときに報告動画を投稿し、ほかのユーザーは、毎日決められた会議の時間ではなく、自分の都合の良いときにその動画を視聴できるようにすることを目指す。

 Butterfield氏によると、同社のプラットフォームの次世代版では、人間のアクション(意思決定や会話)とソフトウェアのアクション(注文書や顧客のコメントなど)の相互作用を改善するという。同氏はこれについて、イベント駆動型エンタープライズと説明している。

 「これらすべてのイベントが円滑に行き来するようになれば、これらのツールとシステムを結び付けるシステム統合のために、われわれが軽量で低コストのファブリックを開発する機会が生まれる」(同氏)

Rimeto買収で得た資産を統合

 Slackの最高製品責任者(CPO)のTamar Yehoshua氏によると、同社がRimetoを買収したことにより、顧客は全従業員がリモートになった現在の状況で、オンボーディングプロセスを管理しやすくなるという。Rimetoは名前や電子メール、電話番号といった通常の情報に専門分野やプロジェクトの割り当てなどの情報を追加することにより、新しいタイプの従業員ディレクトリーを作り出した。Rimetoのディレクトリーを検索することもできる。

 Yehoshua氏によると、Slackはパンデミックによるオフィスの閉鎖以降も非常に多くの人員を採用したため、同氏は従業員の3分の1近くと一度も直接会ったことがないという。

 「RimetoがSlackに追加されたことで、顧客は従業員同士や従業員と会社の結びつきを深める強力な文化的ツールを利用できるようになる」(同氏)

 Slackは使用状況を理解して最適化するため、同コラボレーションプラットフォームに分析機能も組み込んでいる、とYehoshua氏は述べた。Slackのエンゲージメントデータは、以下のデータを測定するビジネスレポーティングツールで活用される。

  • メンバーメトリクス
  • メッセージ活動
  • 分析API
  • ワークフロー分析

合併後の共同作業を改善

 Slackのカスタマーサクセスおよびサービスのグローバル責任者であるChristina Kosmowski氏は、ViacomCBSのエグゼクティブバイスプレジデント兼最高技術責任者(CTO)であるPhil Wiser氏とのセッションを終えた。メディア企業のViacomとCBSは2019年後半に合併し、Wiser氏はSlackが重要な統合ツールだったと述べた。

 Wiser氏は、Slackの「Enterprise Grid」を導入し、大規模なマーケティングおよび採用キャンペーンを実施したと語った。

 「リモートに移行する前は、会社全体で数千人のユーザーがいたが、現在では1万3000人のアクティブユーザーがいる」(同氏)

 Wiser氏によると、Slackのおかげで、両社で使用されていた700種類のアプリケーションをより簡単かつ迅速に統合することもできたという。

 Wiser氏は、「Slackはそれらのコミュニティーを接続する中立的なオーバーレイとして登場し、われわれはアプリケーション群をそのフレームワークに統合した」と述べた。「それによって、われわれのコミュニケーションとナレッジ共有は大幅に活性化した」(同氏)

 Slackのネットワークグループでエンジニアリングディレクターを務めるMarcel Weekes氏がイベント中に述べたところによると、同社の新しいエンタープライズキー管理機能と「Slack Connect」を組み合わせれば、より安全にファイルを送受信することが可能になるという。

 「信頼できるパートナーだけがファイルを送信できる」(同氏)

 ViacomCBSは、PGAや表彰式などの新しいプロダクションやライブイベントで外部パートナーと連携するときもSlack Connectを使用している。

 SlackはConnect機能向けに一般公開前のグループを構築している。

 情報開示:米TechRepublicはViacomCBSの子会社である。

Slackの次世代版では、人間とソフトウェアの間の生産性ギャップを埋めたい、と同社CEOのStewart Butterfield氏はFrontiers 2020カンファレンスで語った。提供:Slack
Slackの次世代版では、人間とソフトウェアの間の生産性ギャップを埋めたい、と同社CEOのStewart Butterfield氏はFrontiers 2020カンファレンスで語った。
提供:Slack

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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