昨今の新型コロナウイルス感染症の影響により、リモートワークのインフラ投資などが増えている。一方で業績の悪化など、大きなシステム開発、改修プロジェクトを凍結する企業も出てきている状況である。
大きなシステム開発投資はデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応も含まれているが、その重要な要素の一つである“レガシー”なシステムの近代化は、先送りできない問題であるため多くの企業の悩みの種となっている。
また、このレガシーはメインフレームのイメージがあるが、これは少数であり、現在数万社で稼働している旧オフコンと呼ばれていたミッドレンジコンピューターが問題となっている傾向にある。
本記事では、このミッドレンジコンピューターで現在でも利用企業数が多い「IBM i(旧System i、AS/400)」に焦点を当て、その課題と解決策を5回に渡ってお伝えするものである。
まだまだ使われているオフコン
オフコンの歴史はメインフレームに代表される大型コンピューターの下位にあたる小型コンピューターをベースに電子会計機の国産化が始まった1960年代前半に遡る。科学技術計算に用いるミニコンピューターに対し、会計などの事務処理目的の小型コンピューターを国内ではオフィスコンピューターと呼ぶようになり、各メーカーによる開発が進んでいった。
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