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ローコード開発のメリット--生産性の向上や人件費の削減

開発の生産性の向上、人件費の削減、アプリケーション運用コストの削減、従来のプログラミングへの依存の軽減に成功し、「開発を6~10倍高速化」した。

 新しいレポートによると、従来型のソフトウェア開発は長くて退屈なプロセスになることがあるだけでなく、企業のニーズに合った結果が得られないことも多いという。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが発生する前でさえ、要求が厳しくなる一方の企業向けにソフトウェアを構築する開発者は不足していた。開発者の不足に起因するさまざまな問題は、パンデミックによってさらに悪化した。

 Forresterは先ごろ、「Total Economic Impact」調査を実施した。同調査のレポートによると、ローコードはローリスク、ハイリターンの提案であり、数百万ドルの利益をもたらす可能性もあるという。

 ローコードソフトウェア開発では、直感的なグラフィカルユーザーインターフェースのおかげで、開発者はドラッグ&ドロップコンポーネントとモデル駆動型ロジックを利用して、ウェブとモバイルの両方でクラウドネイティブアプリケーションを10倍以上速く(70%少ないリソースで)開発できる、とForresterは述べた。

 「ローコード開発プラットフォームは、ITプロフェッショナルやビジネスプロフェッショナルが、従来のコンピュータプログラミングではなく、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)によってビジネスアプリケーションソフトウェアを作るのを可能にする」と米TechRepublicの記事は説明する。「コーディングの代わりに、UIコンポーネントをドラッグ&ドロップして視覚的にアプリを作成する。プロジェクトの全構成要素(フロントエンドとバックエンドのコード、設定ファイルなど)は、標準的なベストプラクティスに基づいて自動的に生成される」(同記事)

 Forresterによると、ローコードプラットフォームは、「利用可能なソフトウェア開発者の人材プールを拡大して、成果を加速させ、ビジネス部門とIT部門のより効果的な共同作業を促進して、退屈な作業とインフラストラクチャータスクを自動化した」という。「その結果、企業はアプリケーション提供のコストの節約、そして、新製品の導入と顧客エンゲージメントの改善による業務効率の向上に成功した」(同社)

なぜローコードなのか

 Forresterによると、ローコードプラットフォームを導入する主な動機には、ビジネスニーズに対するIT部門の応答性が十分でないこと、カスタムアプリケーションの市場投入時間が許容できないほど遅いこと、専門的な知識を持つ開発者の調達が困難であること、IT部門が変化の実現者ではなくコストセンターと認識されていること、業務が非効率であること、そして、従業員1人あたりの生産性の低さを改善しようとする前向きな気持ちがなく、生産性、人材の保持および採用、士気に悪影響を及ぼしていることなどが挙げられるという。

 クライアントの企業がMendix(今回の調査の委託元)のローコードプラットフォームに投資したところ、3年間で2052万ドルの利益を得たという。それには、アプリケーション提供コストの節約(810万ドル)、開発したアプリケーションによる業務の効率化(600万ドル)、新しい製品やサービスの市場投入時間の短縮(330万ドル)、顧客エンゲージメントの改善による増分収益(310万ドル)が含まれる。

 この調査では、ソフトウェア開発者の不足の中で、ローコードプラットフォームが大企業の経済的な価値を牽引する一方で、企業におけるアプリケーションの需要が大幅に増加していることも確認された。

 デジタル変革に苦戦するあらゆるセクターの業界において、今は極めて重要な時期である。急速に変化するニーズに対処するソフトウェアの需要が拡大し続ける中で、優秀な開発者の「歴史的な不足」が発生している、とレポートは指摘した。

 企業は、アプリケーション開発を加速するためにローコードを選択している。コーディングの経験が全くない人やそれほどない人もアプリケーション開発に積極的に参加できる。ローコードでは、グラフィカルなインターフェースとモデル駆動型ロジックを利用できるからだ。カスタマイズは必要であり、ビジネス部門とIT部門の共同作業を通して、絶妙なタイミングで実現される。

ローコードユーザーのサンプルとしてのモデル組織

 今回の調査に参加した4つの企業には、Mendixを利用する北米の2つの企業が含まれていた。1万2000人のユーザーを擁する保険会社(60カ月のローコード経験)と、2万6000人のユーザーを擁する不動産仲介会社(102カ月のローコード経験)だ。残りの2つの企業はEMEA(欧州、中東およびアフリカ地域)の顧客だった。2万6000人のアプリケーションユーザー(48カ月のローコード経験)を擁する公益事業会社と、5700人のアプリケーションユーザー(26カ月のローコード経験)を擁する保険会社だ。

 Forresterは、最初のインタビューと調査に基づいてモデル組織を構築し、ビジネス部門のソフトウェア需要にリーズナブルなコストで対応するのに苦労している企業とした。B2BとB2Cを手がける北米の多国籍企業で、欧州とアジアで事業を展開しており、1万5000人のユーザーがローコードで作成されたアプリを使用している。ローコードプラットフォームを使用することで、定量化可能な利益(29%)とコスト節約(39%)を達成した。

 ローコードプラットフォームを採用する前、このモデル組織は、従来のプログラミング言語、フレームワーク、レガシーシステム、必要な手動でのデータ検証および統合に依存していた。アプリ開発の成果には多くのエラーがあり、データ入力の品質も低かった。コストは高く、リードタイムも長かった。

コードプラットフォームの利点と今後

 調査に参加した企業の1社は、ローコードプラットフォームによって、開発の生産性の向上、人件費の削減、アプリケーション運用コストの削減、従来のプログラミングへの依存の軽減に成功し、「開発を6~10倍高速化」した。

 レポートによると、別の調査で回答者の45%は、自社がローコードツールを導入している、もしくは、導入を計画していると述べたという。ローコードプラットフォームを使用する組織は、混成チームの共同作業を可能にすることで問題を解決し、より短時間で効率を高めることができる。

 調査に参加した不動産会社のソフトウェア開発担当バイスプレジデント(匿名)は、以前だと自社で開発に最大2年を要していたアプリケーションを、ローコードによって1回目は6カ月で完成させ、2回目は4カ月で完成させたと主張した。市場投入時間の短縮により、16%の増分収益を獲得し、顧客との関係が改善された。

 Forresterのレポートによると、新しいアイデアをより迅速にテストできること、新しいテクノロジー(会話型インターフェース、AI、IoT)をより頻繁かつ低コストで実験できること、目標を時間通りに達成すると決めたチームの作業時間と労力を削減できること、優秀な人材を引きつける革新的な文化を開発できること、そして、IT部門がコストセンターから売り上げを発生させる部門へと変化できることが、市場投入時間の短縮と増分収益に寄与しているという。

提供:iStock
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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