「スタートレック」の宇宙船に搭載されたコンピューターのように、話しかけると内容を理解するだけでなく返事をするというコンピューターがSFの世界だけに存在していた時代は、それほど昔のことではない。24世紀の宇宙船エンタープライズ号のテクノロジーが、21世紀に現実となったのは、自然言語処理(NLP)のおかげだ。機械学習を用いるこの技術により、コンピューターは話し言葉や書かれた文字を理解して処理し、応答する能力を獲得する。
誤解しないでほしいが、NLPは複雑な分野であり、学習には長い年月がかかる可能性がある。この入門記事では、NLPに関する基本事項を紹介して、企業にとっての利点を詳しく説明し、導入を開始する方法を解説する。
どんなものなのか
自然言語処理(NLP)は、コンピューターが人間の言葉を聞き取って処理し、理解して再現できるようにするための学際的なアプローチだ。NLPのプロセスには、言語学やコンピューターサイエンス、機械学習などの分野が関わっている。これまでの成果は、デジタルアシスタント、チャットボット、リアルタイム翻訳アプリ、言語を使用するその他のソフトウェアなどで活用されている。
コンピューターに言語を理解させて使用させるという概念は、新しいものではない。その起源はおそらく、アラン・チューリングの1950年の論文「Computing Machinery and Intelligence」にまで遡るだろう。この論文から生まれたアイデアが、チューリングテストだ。
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