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ローコード開発の普及がコロナ禍で加速--既存リソースの活用やコスト節約を実現

ローコードソリューションの最近の普及拡大と今後の展開について詳しく知るため、ローコード開発企業の関係者に話を聞いた。

 ここ数年、ローコードアプリケーション開発の世界では、定期的な革命が定着している。敏捷性に優れたこれらのソリューションを利用することで、組織は既存のITチームを活用したり、フレームワークでコーディングする秘技を必ずしも専門としない従業員に力を与えたりして、プログラムやアプリケーションを迅速に作成することができる。

 新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受けて、ここ数週間、ローコードソリューションの利用は増加する一方である。より多くの企業が経費を抑え、顧客やチームと対話する新しい方法を模索するようになったからだ。いろいろな業界におけるローコードソリューションの最近の普及拡大と今後の展開について詳しく知るため、われわれはさまざまなローコード開発企業の関係者に話を聞いた。

パンデミック下の世界で標準的な開発モデルを再考する

 興味深いことに、ローコードは実際には何十年も前から存在していた。それでは、これらのフレームワークはなぜ最近になって普及が進み始めたのだろうか。その答えにはさまざまな変動的な要因が含まれるが、重要なのは技術的なタイミングだ。

 LANSAのプロダクトマネージャーのEdgar Wharton氏は、「突然、おそらくこの5年~8年の間に、ウェブブラウザーが驚くほど強力になり、全く新しい世界にアクセスする手段になった。現在では、多くの組織が従来のアプリを用意するという考えを捨てて、プログレッシブウェブアプリの提供という方向に進んでいるほどだ」と述べた。

 そうした状況で世界的なパンデミックが発生したことで、突然、アプリ開発へのアプローチを再考し始める企業が増加した。その結果、企業各社は、厳しくなる一方の予算で業務を遂行するために何が必要なのかについて、より真剣に考えるようになった。やはり、必要は発明の母だったようだ。

 ローコードおよびノーコードソリューションを手がけるSkuidの最高経営責任者(CEO)のKen McElrath氏は、「今回の危機を受けて、企業がしばらくの間放置してきた弱点の数々が顕在化した。問題を修正することに加えて、全く新しい業務遂行方法も開発することが喫緊の課題である。そして、それを成し遂げるのに、何カ月も何百万ドルもかける余裕はない」と話す。

既存のチームと費用対効果の高い戦略を活用する

 最近になってローコードの使用が急増した要因には、全体的な効率性も含まれる。実際に、451 Research(PDFファイル)によると、ローコーディングを採用することで、場合によっては、開発時間を最大90%短縮できると推定されているという。費用対効果を高めるために、組織は既存の労働力、特にITチームに本来備わっている潜在的な開発力も利用し始めている。

 「ローコード分野では、多くのローコード開発プラットフォームは、IT担当者向けに設計されている。既存のIT部門とITチーム、ビジネスアナリストを利用して、ローコード開発プラットフォームの活用方法を実際に学習している大企業や中小企業は多い」(Wharton氏)

 企業はアプリケーション開発を取り巻く従来のワークフローの再評価にも取り組んでいる。こうした従来のワークフローの再考により、アプリ開発に革命が起きている。今後、それが採用担当者の雇用ニーズへのアプローチに変化を及ぼす可能性もある。

 「これらの人々は、すでに私たちのビジネスモデルについて必要な知識を持っており、それを理解している。彼らはそのことに気づいている。特定の用途を満たす能力や、これらの体験を私たちに代わって構築および設計する能力を彼らに与えることで、私たちは成長し、ライバルと競争し続けることができる。私たちがJavaScript開発者やフロントエンド開発者、フルスタック開発者に年間約10万ドル近くの報酬を支払う必要はない」(Wharton氏)

「ソリューション開発者」が登場

 パンデミックが収束の気配を見せないため、多くの業界がクライアントや組織内の個人とのコミュニケーションを可能にするアプリケーションやポータルをすぐにでも必要としている。非伝統的なテクノロジーセクター内でのこうした需要の急増により、今後、ローコードをめぐる状況が変化する可能性もある。

 「需要が高まるのは、必ずしもソリューションを開発しようとしている企業や大企業の中だけではないだろう。例えば、学校の教師や医療管理者、私がソリューション開発者と呼んでいる人々の間でも、実際に需要が高まるはずだ」(Wharton氏)

 一部の組織がリモート業務をいつまで続ける必要があるのかは分からない。近い将来、ローコードソリューションの実装の最前線に立つ可能性があるのは、全く新しいロジスティクスの課題に直面している個人と組織だ。

 「生徒や教師などがアクセスしたり、出欠を記録したり、課題を提出したりできる独自の内部ポータルを1週間以内に開発できるようになれば、学区にとって非常に有益だ」(Wharton氏)

ローコード開発の未来

 新型コロナウイルスのパンデミックは、世界中のコミュニティーや経済に大きな打撃を与え続けている。この現代の疫病とローコードアプリケーションの使用増加が今後、ワークフローとエンゲージメント戦略の進展にどのような長期的影響を及ぼすのか興味深い。

 「個人レベルでは、病気は私たちに自分の死について考えることを余儀なくさせる。企業レベルでは、自分たちはなぜ存在しているのか、これまで何に時間を使ってきたのか、今後どのように変わりたいのか、といったことに私たちは思いを馳せる」とMcElrath氏は話す。「ローコードとノーコードは、自転車の乗り方を覚えることに似ていると思う。今までの10倍の速さで移動できること、少ないエネルギーで遠くまで行けること、そして、その速度と髪の毛で感じられる風に気づいたら、率直に言って、なぜ自転車の乗り方を覚える前の自分に戻りたいなどと思うだろうか」(同氏)

提供:iStock/metamorworks
提供:iStock/metamorworks

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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