人間工学に基づいたキーボードには、手首や指を反復性ストレス障害から守るのにほとんど役立たない仕掛けが多数施されたものもあるが、完璧の域に迫っているものもある。筆者にとって、「Ultimate Hacking Keyboard」(UHK)は形状と機能性の完璧な組み合わせである。筆者にUHKを手放させるには、奇跡のようなキーボードが必要だ。「Zergo Freedom」キーボードは、達成不可能に思えるその目標を完全に成し遂げることこそできなかったが、もう一歩のところまで迫った。
完璧なキーボードの定義は、人によって大きく異なる。多くの場合、筋肉の記憶はメーカーや設計者に不利に働く。筆者がUltimate Hacking Keyboardを使い始めたとき、指と脳がお互いに同期するのに長い時間がかかった。しかし、その後は、本当に魔法のようだった。タイピングが信じられないほど快適かつ効率的になった。筆者は毎日、長時間タイピングするので、入力のパターンやキーの距離が筋肉の記憶に深く刻み込まれている。そのため、別のキーボードへの移行には、非常に大きな困難が伴う。
Zergo Freedomは、Ultimate Hacking Keyboardの打倒に危険なほど近づいた。この感想は、Zergo Freedomの設計の優秀さを証明している。頻繁なタイピングに起因する手首の痛みの脅威に悩まされており、完璧なキーボードをまだ見つけられていない開発者や作家、管理者にとって、Zergo Freedomは完璧なハードウェアになる可能性がある。
Zergo Freedomキーボードとはどんなものなのか
Zergo Freedomは分割設計のキーボードだ。長いケーブルを備えるので、左右のキーボードを手首に負担がかからない位置まで離すことができる(図A)。人間工学に基づいたキーボードの多くは、こうした機能を備えている。
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