RPA

ロボティックプロセスオートメーション(RPA)入門--定型業務をボットが担う自動化技術

ロボティックプロセスオートメーション(RPA)は、ソフトウェアボットによって反復的な操作を自動化する技術だ。基本的な仕組み、主な用途、雇用への影響などについて解説する。

 「多くの企業は、ボットを一度セットアップすれば、バックグラウンドで実行されて自律的に動作すると考えている。実際には、ボットを利用する期間はずっと、管理とメンテナンスを絶え間なく実施する必要がある」(Srivastava氏)

 RPAボットをアップデートして、ソフトウェアGUIの変更に対応することだけがメンテナンスではない。他にも、ボットがアプリやディレクトリーのパスワードの変更を自動的に検出できるように設定されていることを確認する必要があるし、ボットが機能するために必要なデータ構造の変更も認識しておかなければならない。また、プロセスの変更に応じてボットを更新する必要もある。

 したがって、ロボティックプロセスオートメーションは理論的には現代のビジネスに多くの恩恵をもたらす可能性があるが、比較的新しいテクノロジーであり、定期的なメンテナンスや、全体的なデジタル戦略との統合が必要である点を理解することが重要だ。現在のところ、それをうまくできている組織は非常に少ない。

雇用にどのような影響を及ぼすのか

 自動化について論じるなら、必ず雇用への影響についても議論することになる。それはロボティックプロセスオートメーションにおいても例外ではない。

 反復的なタスクを処理するために雇われている人々にとっては、RPAのために自分が失業の危機に直面しているかどうかが、非常に気がかりな問題だ。ビラノバ大学のビジネステクノロジーの教授であるSteve Andriole氏によると、こうした雇用は絶対かつ確実に危険にさらされているという。

 「定型業務に従事している人、あるいは『知識』産業と関連付けられる複雑で演繹的な推論タスクのように見える作業を担当する人であっても、雇用とキャリアが重大な危険にさらされている。AIとRPAは、そうした人の雇用とキャリア、専門家としての存在そのものを絶対かつ確実に脅かすだろう」。Andriole氏はForbesの記事にこう記している

 Andriole氏は、低レベルのAIやRPAのような自動化を自動車の発明になぞらえ、RPAの影響を受ける仕事に従事する人を自動車に取って代わられた馬と馬車職人にたとえる。これを認めない人は「無責任で考えが甘い」という。

 反対の意見もある。それを繰り返し主張しているのは、自動化とRPAの支持者たちだ。RPAプロバイダーのUiPathは、従業員にもっと価値の高いタスクを割り当てて、ストレスを軽減し、各従業員の価値を高められる、と述べている。

 雇用が本当に危険にされているのかどうかを詳しく理解するには、会計事務所のKPMGがまとめたRPAのレポートが役立つだろう。このレポートに書かれている言葉を見れば、財務に不安を抱える企業がRPAについてどのように考えているかがよく分かる。

  • 「RPAは安価な労働力にとどめを刺すかもしれない」
  • 「ソフトウェアロボットのコストは、米国、英国、オーストラリアのフルタイム労働者の約10分の1と見積もられている」
  • 「現在の複雑なグローバル金融市場で成功を収めるには、前例のない水準のスピード、正確さ、コスト効率が必要であり、それは人間の労働力が提供できるレベルを超えている」
  • 「われわれは、業界全体がRPAとAIの採用に向けて迅速に動く必要があると考えている。規制が厳しくなり、複雑さが増している現状を考慮すると、なおさらだ」
  • 「機械は多くのタスクをより正確に、より低コストで、より迅速に実行することができる」
  • 「(New Zealand Banking Group Limitedは)財務、人事、決済、抵当処理の部門でもボットを使用している。決済部門では、人間の従業員の数が40人から2人に減少したことが指摘されている」

 KPMGのレポートにはさらに、「2026年までに、スマートロボットが1億人以上の知識労働者、または世界の仕事の3分の1に取って代わる可能性があると懸念する者もいる」と書かれている。また、従業員には「懸念すべき十分な理由」があるとして、金融業界での大規模な雇用喪失が挙げられており、これが「金融サービス市場全体で今後も続くだろう」とされている。

 レポートでは、不安を抱いている従業員にRPAを受け入れさせる手順も詳しく説明されており、「従業員数を削減することになるかもしれない」と直接的に言うのではなく、RPAの目標が人員の削減ではないことを伝えるのがよいという。

 したがって、RPAが人間から仕事を奪うかどうかを絶対的に断言するのは難しいかもしれないが、RPAを研究してきたAndriole氏のような人々も、人件費削減から利益を得る立場にある人々も、雇用の減少を確信しているようだ。

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