RPA

ロボティックプロセスオートメーション(RPA)入門--定型業務をボットが担う自動化技術

ロボティックプロセスオートメーション(RPA)は、ソフトウェアボットによって反復的な操作を自動化する技術だ。基本的な仕組み、主な用途、雇用への影響などについて解説する。

 自動化するタスクの種類に応じて、以下の2種類のRPAボットのいずれかを使用できる。

  • アテンデッド型:人間が作動させる必要があり、通常はタスクの一部を自動化して、残りは人間が対応する。
  • アンアテンデッド型:通常はボットが新しいジョブのキューを監視し、特定の条件が満たされたときに自動的に動作する。アンアテンデッド型RPAはRPA 2.0とも呼ばれ、AIと機械学習の要素を使用して独立性を高めている。

 この2種類のRPAソフトウェアロボットのいずれか、または両方を使用できるケースには、以下のようなものがある。

  • カスタマーサービス:アテンデッド型とアンアテンデッド型のボットによってサービスプロセスを円滑にし、従業員と顧客の対面およびデジタルコミュニケーションを容易にすることができる。
  • 医療:この分野では、多種多様なデータを追跡し、手動で入力してから、他のデータベースと照合し、最新の状態に維持する必要がある。これをやらないと、看護師、医師、医療コーディングチームが多くの時間を浪費することになる。
  • 請求書作成:RPAボットを利用して、新しい顧客情報をスプレッドシートに入力し、見積書や請求書を作成して、経理部門と顧客に自動的に電子メールで送信することができる。
  • デジタル変革イニシアチブ:ソフトウェアプラットフォーム間の移行のケースと同様に、大量のデータの転記やコピー作業が伴うことが多いが、RPAボットを適切に訓練すれば、その作業のかなりの部分を処理できる可能性がある。
  • ITチーム:RPAボットによって、問題を未然に発見してヘルプデスクへの問い合わせを不要にしたり、技術者向けのシステム情報を取得したり、ヘルプデスク担当者が実行しなければならない基本的なシステムアクション(マシンの再起動やソフトウェアのインストールなど)の多くを実行したりできれば、大幅な高速化を図ることができる。
  • 倉庫:入力とレポートを自動化することで、在庫管理を高速化できる。

 この他にも非常に多くの用途が考えられる。B2BのAIソリューションを手がけるAIMultipleはRPAのユースケースを61種類挙げているが、さらに多くのユースケースがあるはずだ。

現在のビジネスにおいて実用性はあるのか

 ロボティックプロセスオートメーションの真の課題が露呈するのはこの点だ。RPAは、スケールアップして大規模な組織で機能させるのが難しい。

 Deloitteが2020年に実施したRPAに関するグローバル調査では、RPAの採用は急速に拡大しているものの、RPAを使用している組織のうち、50以上のボットという規模にまで使用を拡大できた組織はわずか3%であることが明らかになった。Deloitteはこの数字について、RPAを使用する企業が予想以上の困難に直面していることを示すものだとしている。

 DeloitteはRPAのスケーリングがこれほど少ないことに驚きを表し、「実装コストが比較的低い点や、入念に選択した高価値のアクティビティを自動化できるという大きなメリットを考えると」、なおさら意外だと述べた。とはいえ、Deloitteはレポートの中で、RPAはまだ初期段階にあり、模索している企業の多くはRPAを適切な形で最大限に活用するための目標をまだ定めていない可能性がある、という点を認めている。

 数個のインスタンス以上の規模でRPAを展開する際の大きな問題の1つは、残念ながら、その本質的な設計にある。RPAはソフトウェアGUIを利用して機能するため、更新によって、1つのメニューアイテム、ボタン、フィールドの場所が変更されるだけで、そのUIを使用するRPAボットは機能しなくなってしまう。

 Forbesに寄稿するアナリストのJason Bloomberg氏は、RPAボットには繊細な性質があり、ちょっとした理由で動かなくなることがあるので、RPAの導入前によく考える必要がある、と警告した。Bloomberg氏は、APIのないレガシーソフトウェアを扱う場合、問題がさらに悪化すると指摘する。APIがある場合は、インターフェースの変更から学習して、アプリのバックエンドと連携できるようにRPAボットを設定し、GUIの制限を克服することができる。APIがなければ、アプリのGUIが変更されないことを祈るしかない。

 デジタル変革戦略のサービスを提供するGenpactで最高デジタル責任者(CDO)を務めるSanjay Srivastava氏も、Bloomberg氏と同じ意見だ。Srivastava氏によると、RPA導入の多くが失敗する原因は、RPAが大きな戦略の一部であるとは考えずに、導入後は何もしなくてもいいツールだと誤解されていることだという。

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