人事・労務

新型コロナ時代のオフィス環境(4)衛生評価の基準と都市の変化

各国で緊急事態宣言や都市封鎖の解除が進む中、新しいオフィスの在り方を全4回にわたって考える。最終回では、専門家が提案するオフィスの衛生評価基準の策定や、都市レベルで考えられる大きな変化について紹介する。

 働き方の再考が求められている。オフィスに戻ったときには、すべてがこれまでとは違って見えるだろう。それはオフィスでの働き方とオフィスで働く理由が変わっていく始まりにすぎない。この連載では、新型コロナ時代のオフィス環境について全4回にわたって考える。今回は最終回。

職場の衛生評価に備える

 1つ確かなことがある。世界的なパンデミックのために、従業員が在宅勤務を好むようになったからといって、オフィスが完全に消滅するわけではない。チームが今後もビデオ会議ツールだけを使って共同作業を続ける可能性は低い。オフィスビルは、以前ほど混雑しないとしても、経営陣やスタッフが対面で交流する場所であり続けるはずだ。

 しかし、企業のリーダーたちは、必要なスペースの大きさを再評価することになるだろう。職場のスペースが縮小するのか、拡大するのかは、まだはっきりしない。6フィート戦略を実施するなら、より多くのスペースを購入することは理にかなっている。だが、同様に、半数の従業員が在宅勤務をするのなら、何千人もの従業員を収容できる広いオフィスの構築や賃貸を続ける必要はない。

 Cushman & WakefieldのWoodward氏は、今はまだ学習の段階であることを認めている。「従業員が柔軟な働き方をするのなら、クライアントは不動産を縮小して費用を節約できるのだろうか」。同氏はこのように問いかける。「それとも、オフィスに戻ってくる従業員のために、ワークスペースを転用して、さまざまな種類の設備を提供する必要があるのだろうか」

 このような疑問は、未来のオフィスビル計画を担当するすべての建築家が抱いている。既存のオフィスの内部レイアウトについては、新しい要件に合わせて調整することしかできないが、これから建設されるオフィスの場合は、今から設計を再評価することが可能であり、おそらくそうすべきだろう。オフィスライフの性質が根本的に変わろうとしているのだから、職場のある建物も変化しなければならない。

 建築事務所Scott Brownriggの最高経営責任者(CEO)を務めるDarren Comber氏は、より厳格な衛生基準が定着し、最終的にはオフィス文化に浸透すると確信している。それを建築の観点から可能にすることが、Comber氏の仕事になるだろう。

 たとえば、外部の空間へのアクセスを改善することが重要になる。屋上テラスは、現時点では「あれば便利」な設備かもしれないが、近い将来、基本的な要件になりそうだ。同様に、空調も再設計して、循環された空気ではなく、新鮮な環境が常に従業員に行き渡るようにしなければならない。

 Comber氏はまた、企業がエレベーターの混雑を避ける方法を模索するなかで、階段の需要が高まっていくと予測している。だが、特にComber氏の関心を引いたのは、素材の分野で同氏が期待する潜在的な進歩だ。「他の業界の技術革新も応用できるかもしれない」と同氏は語る。建物が環境への配慮を求められているように、高水準の健康状態を実現する清潔なオフィスを設計することが不可欠になるだろう。結局のところ、レストランが衛生水準を評価されるのなら、オフィスの衛生水準も評価して然るべきだ、と同氏は主張する。

 「空気質、ソーシャルディスタンシングを実践できる度合い、清潔な空気の供給の有無などを反映する何らかの評価方法を策定すべきだ」とComber氏。「人々はその評価を基に、働く場所を選ぶようになるだろう」。同氏はすでに、病原菌がオフィス環境の空間内でどのように移動するかを調べるデジタルツインの開発に取り組んでいる。

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