文書管理

今のままの文書管理で起こり得る問題--米裁判での敗訴、テレワークの不完全化

ペーパーレス化の実現には多くの課題があるが、紙での管理を続けた場合、どういったことが想定されるだろうか。クニエでインシデントリスクマネジメント担当マネージャーを務める難波氏がその危険性を解説する。

 第1回は紙文書について、そして第2回は文書管理システムについて筆者の経験をもとに考察を述べてきた。しかし恐らく、読者の中には「紙文書でしっかり管理ができていれば問題ないのではないか」また、「文書の複製を作って自分の近く(紙は机の引き出し、電子文書はファイルサーバー内の個人フォルダなど)に置いておくのは業務効率化だ」という人もいるだろう。

 しかし、結論から言えば答えは「ノー」だ。

 今回は、その理由を交えた現状の文書管理に関するリスクについて解説する。

1.Discovery(証拠開示制度)

 米国における民事訴訟手続きの一つとしてDiscovery(証拠開示制度)がある。これは陪審員審理、裁判官審理の前に当事者同士が、利益不利益にかかわらず訴訟に関係がある全ての文書の開示を求められる制度である。近年日本企業の海外進出によって、ある日突然競合他社やユーザーから米国などの諸外国で訴訟を起こされるケースが急増している。

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