新興技術

10年以内に到達--次世代HPC“エクサスケール”は何をもたらすのか

ペタスケールコンピューターの1000倍に相当する、毎秒100京の演算が可能な“エクサスケール”なハイパフォーマンスコンピューティングがどんな恩恵をもたらすのか、注目されている。

 これまでの歴史を振り返ると、科学的偉業の達成に向けた、いわゆる“友好的な”争いが数多く繰り広げられ、その多くは人類を著しく進化させてきました。

 1960年代、ソ連と米国は、初の有人宇宙飛行から初の人類月面着陸まで数多くの天文学的偉業の達成で競い合いました。近年は、新たな国々もこの中に加わり、中国が月の裏側への初着陸に成功したほか、オーストラリアは「光の誕生」を特定すべく、宇宙初の星明かりの理解と発見に向けた競争をリードしています。現在は火星への有人飛行が議題に上るなど、世界の宇宙開発競争は続いています。

 それと同様に、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の分野に馴染みのある方であれば、各国政府や研究機関が現在、エクサスケールコンピューティングという魅力的な偉業の達成に向け、しのぎを削っていることをご存知でしょう。

 エクサスケールとは、最初のペタスケールコンピューターの1000倍に相当する、毎秒100京(=10億×10億=1018)の演算を遂行可能なシステムのことです。エクサスケールマシンは、人間の脳に近い処理能力を持ち、ニューラルネットワークなどの人工知能(AI)の進化を潜在的にサポートするものです。

 この技術は驚愕に値するものです。ですが、HPCはすでに従来型コンピューターを大きく上回るレベルで、今日の世界の非常に大きな問題に取り組んでおり、不可欠な存在となっています。

 それでは、HPCの機能が現代の世界を代表する3つの重要問題の解決にいかに役立っているか、そして、テクノロジーの発展に伴い、今後どのような事態が予想されるのかを見てみましょう。

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