新型コロナウイルスの脅威が拡大するなか、世界中の企業が従業員向けのリモートワークステーションの設置を急いでいる。安全なサイバーセキュリティ慣行を維持することが不可欠だが、すべてを大慌てで準備しているときには、何らかの手順を見落としがちだ。従業員の在宅勤務を可能にしつつ、自社のデータを確実に保護する最善の方法について、サイバーセキュリティ専門家のアドバイスを紹介する。
全従業員用のリモートワークシステムをすでに確立している企業なら、おそらくマルウェア対策を講じているはずだ。しかし、新たに移行するスタッフがいる場合は、強固なサイバーセキュリティを確保することが非常に重要になる。
サイバーセキュリティに関する専門家の意見
「コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、多くの組織はリモートワーク導入のペースを速めざるを得なくなっている」。こう述べるのは、LogMeInの最高情報セキュリティ責任者(CISO)を務めるGerald Beuchelt氏だ。同社では現在、従業員に出勤を求めていない。「事業継続計画を維持して、業務中断のリスクが高い出来事にチームが対応できるようにしておくことが重要だ」
Beuchelt氏は続けて次のように述べた。「リモートワークを実現にするには、IT、セキュリティ、HR、ビジネスオペレーションの各部門が事前に調整して、プログラムを確実に成功させる必要がある。セキュリティトレーニングや意識向上プログラムによって、『サイバースマート』な行動を職場だけでなく自宅でも促す(最新のファイアウォール/ルーター、強力なパスワードの使用、パッチの適用など)ことも、従業員と組織の安全を守るうえで非常に効果が大きい。これらの基本的な対策は、ウイルスやその他のマルウェアの撃退に極めて有効だ」
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