(前回までのあらすじ)
あるメーカーの情報システム部の中野さん、会社では「データセンター移転プロジェクト」のリーダー、プライベートでは結婚する彼女と一緒に住むための新居探し……。期せずして二つの「引っ越し」に向かい合うことになってしまった。
第1回では「新居で一緒に住む家族」にあたる「データセンターに今後収容するシステム」の計画を確認した。第2回、第3回、第4回では、アクセスや広さ設備など、引越先のデータセンターに求めるスペックの考え方と検討ポイントについて検討した。
2019年の映画『引っ越し大名!』をご存知でしょうか? 江戸時代、大名は藩の引っ越しである「国替え」を命じられることがありました。遠方まで藩士と家族と家財を運ぶ一大事業。そのリーダーである“引越奉行”に星野源さん扮する藩士が任じられ、未経験ながら努力と知恵で周囲を動かしていく……。
その様子は「まさにデータセンター移転に任じられたプロジェクトマネージャー!」と思ったのは筆者だけでしょうか。映画序盤で、大量の家財を運ぶ費用を削減すべく、荷物の仕分けを命じられる部分、ここは今回のテーマである「何を持っていく? 捨てる? 買う?」とも関連しますので、データセンター移転計画にかかわる皆さんにはおすすめです。
残り本文:約4159文字 ログインして続きを読んでください。