朝、出社したときのことを想像してみてください。どのような光景を思い浮かべるでしょうか。全ての同僚がデスクについて仕事をしている光景が思い浮かびますか? それは、従来の“出勤すること”をイメージしたことよって思い浮かんだ光景です。
2016年のCareerBuilderの調査によると、労働者の5人の内3人が、午前9時~午後5時などと決まった勤務時間を設けることは過去の慣習であると考えており、このような伝統的な考え方は、今日の結果を重要視する新しい考え方の人たちの間では受け入れられなくなっています。
また、彼らはこの“勤務”に対する考え方の変革に積極的に取り組んでいます。人材派遣会社のYohの調査では「42%の人がより柔軟な職場環境を求めて退職をする」という結果が出ています。つまり、決められたタスクが完了している限り、いつ、どこでタスクに取り組むかは個人の自由だと考える人が増えているということです。
この流れは雇用主にいくつかの課題となって重くのしかかっています。チームの目標達成とプロジェクトの進行において「どのように可視性を維持するのか」、「必要なチームメンバーをどのようにコミュニケーションのループに入れて情報共有を行うのか」、そして「今までと同じレベルの生産性を維持できるのか」などです。
これらは正当な懸念事項だと思います。ですが、従来の午前9時~午後5時の間デスクに縛り付けられる勤務体系は終わりを迎えており、企業は従業員が持つ才能を維持し、パフォーマンスの高いチームを鼓舞し続けるために都度適応していかなければなりません。
従来のような午前9時に出社して午後5時に退社をする、という勤務体系が、いつの時点から自由出社自由退社が許されるようになったのかを正確に特定することはできませんが、最大の原因が“テクノロジー”であることは間違いありません。
どのように技術が変化を促したか
数十年前の働き方を想像してみてください。当時、オフィスから離れた場所でメッセージ(当時は手紙だったかもしれません)や仕事を完結させるために必要なドキュメントにアクセスする方法は存在せず、仕事を行うにはオフィスにいなければなりませんでした。
対して、今日の働き方はどうでしょうか? 常時オンライン状態にあることで手間や遅延もなく、いつでもどこからでも仕事をすることができ、非常に便利になりました。
Pew Research Centerの調査によると、現在、アメリカ人の77%がスマートフォンを所有しており、所有率は2011年から35%も増えています。また、アメリカの成人の約4分の3がPCを所有しています。
そういった端末を使えば、地元のカフェに並んでいる間に、簡単に仕事のメールを確認することができます。また、クラウドによってテクノロジーの利便性はさらに高まり、今までのように部屋の隅にあった埃だらけのキャビネットの中に重要な文書や記録などが収納されることはほぼなくなりました。