クラウドのメリットを自社のデータセンターで活かすにはどうすればいいのだろうか。Microsoftはしばらくこの問題について考えを巡らせ、さまざまなソリューションを考案した。その一翼を担うのが、「Azureとの一貫性」があるハードウェアポートフォリオで、これはラックベースの「Azure Stack Hub」から始まり、小規模なものではIoTとエッジコンピューティング向けの「Azure Stack Edge」ハードウェアがある。しかし、どれも新しい専用のハードウェアへの投資が必要だ。自社の既存のインフラストラクチャーを使用したい場合は、どうすればいいのか。
そのニーズに応えるのが、先ごろ発表された「Azure Arc」だ。現代的なクラウドアプリケーション向けのアプリケーションレベルのコントロールプレーンであるAzure Arcは、「Azure Portal」から管理され、なじみのあるAzureのコンセプトとツールを使用して、ユーザー企業のサーバーや他のパブリッククラウドで実行中の仮想マシンと「Kubernetes」にアプリケーションと管理ポリシーを配信する。
Azure Arcとはどんなものか、どんなものでないのか
Azure Arcがどんなものなのかを理解するのは、少し難しい。初期のブログ投稿やMicrosoftのウェブサイト上の仮ページは、技術情報というよりマーケティング資料の性質の方がはるかに強い。だが、Microsoftが先ごろ開催した「Ignite」イベントで、Azure Arc担当チームのメンバー数名に話を聞くことができ、Azure Arcがどんなものなのか、はっきりしてきた。また、こちらの方が重要かもしれないが、どんなものでないのかも、よく理解することができた。
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