従来型の接続を利用できない場所でクラウドに接続するのは難題だ。たとえば、「Azure Stack」サーバーを石油リグや大型クルーザーに設置する場合を考えてみよう。あるいは、災害救援用トラックの後部でハードケース内に置く場合でもいい。「Azure Data Box Edge」のようなエッジプロセッシングシステムについて考えると、事は一層複雑になる。そうしたシステムでは、ローカルで処理された大きなデータセットが、さらなる分析のためにクラウドシステムに送られるからだ。
帯域幅が必要とされる状況は変わっていない。むしろ、その必要性は増すばかりだ。しかし、僻地には広帯域の光ファイバーを敷設するインフラストラクチャーはなく、必要な接続をすべて用意することは金銭的な事情が許さない。低品質の電話回線では、1~2MbpsのADSL以上の汎用的なサービスの提供を期待するのは不可能だ。ホワイトスペースや他のワイヤレステクノロジーに期待が寄せられているものの、それらはデータをエッジに送るだけの技術であり、エッジからクラウドに送るものではない。
空からのインターネット
この接続の問題を解決するのは、古くからある技術、すなわち衛星による接続だ。小さな基地局を使用し、衛星を介して、大型の地上局のパブリックインターネット接続までデータを送る。銅線や光ファイバーを長距離にわたって敷設する必要はない。基地局はその場所に固定の設備でも、可搬型のデバイスでもかまわない。
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