チャット

目指すのは社会インフラ--Chatwork山本CEOが語るビジネスチャットの未来

2019年9月に東証マザーズにChatworkが上場した。ビジネスチャット市場の現状、上場の理由やビジョンなどを代表取締役CEO兼CTOを務める山本正喜氏に聞いた。

 2019年9月24日、ビジネスチャットツール「Chatwork」を提供するChatwork(大阪府大阪市)が東証マザーズに新規上場した。代表取締役で最高経営責任者(CEO)兼最高技術責任者(CTO)を務める山本正喜氏に、上場の意義やビジネスチャット市場における自社の強みなどを伺った。

チャット後進国の日本、ビジネスチャットは3強時代に突入

 ビジネスにおける新しいコミュニケーション手段として、ビジネスチャットが注目を集めている。ビジネスチャットは、テレワークも含めたワークスタイルのフレキシブル化などと相性が良い。働き方改革の影響を受けて民間企業の導入が進んだことで、国内のビジネスチャット市場は拡大傾向にある。

 しかし、総務省の「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」(2018)によると、日本国内におけるビジネスチャットツールの導入率は23.7%。米国(67.4%)、英国(55.9%)、ドイツ(50.6%)と比べると、その利用状況は低い。山本氏は「Chatworkに代表されるクラウドツールの普及率は約10%という肌感。日本はまだまだチャット後進国です」と表現する。

代表取締役CEO 兼 CTOの山本正喜氏
代表取締役CEO 兼 CTOの山本正喜氏

 Chatworkが業界に先駆けてビジネスチャットの提供を開始した2011年は、「LINE」や「WhatsApp」などのメッセージングサービスがようやく広がりを見せ始めた時期だ。当時から同社はビジネスチャットの可能性を見出していた。

 その後、コンシューマライゼーションとあわせて、“残業時間を削減して生産性を上げるためには、業務時間の大部分を占めるコミュニケーションの改善が必要”という認識が向上。ビジネスチャット導入の流れが年々形成されてきたという。

 山本氏は「ビジネスチャット市場のプレイヤーは、Chatwork、『Slack』、『LINE WORKS』の3つに絞られてきました。Slackはテック系やスタートアップを中心に、LINE WORKSは飲食系に強いという印象です」と語る。

 Chatworkは、士業や介護、建設業、製造業、医療、小売りなど、特に非IT系の300人以下の中小企業を中心に、これまで23万社以上の幅広い業種、業態で導入されているという。「お互いがまだある余白の領域への普及を目指しているので、他社と競合しているとは感じていません」(山本氏)

競合は電話やメール--Chatworkの強み

 山本氏によると、現在のChatworkの競合は、電話やメール、会議などの既存のコミュニケーション手段だという。

 相手の時間や集中力を奪いかねない“電話”、相手とのやり取りでコンテキストの共有が省けない“メール”、時間と場所を抑えるのに最もコストがかかる“会議”などの従来のコミュニケーションにはそれぞれ課題がある。「その解決策として代替されるのがビジネスチャットツール」と同氏は説明する。

 そのうえで「よく“顔の見えないコミュニケーションだと冷たい会社になる”という人もいますが、まったく逆です。ビジネスチャットを使って徹底的に業務を効率化することで、空いた時間でアナログのコミュニケーションをしようという考え方が大事です」(山本氏)と語る。

 同社では、“アナログの時間を最大化するためのデジタル活用”と考えているという。メールや内線、会議などと併せ、目的や場面に応じてのビジネスチャットの上手な使い分けを推奨していると説明する。

 「Chatworkは、相手がオンラインであることを前提としない非同期での利用をお勧めします。自分が集中する時間を自ら作ることができます。従業員の生産性を向上させるためには重要なことです」(同氏)

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