機械学習は強力なツールだが、実装したりビジネスに組み込んだりするのは必ずしも簡単ではない。1つの選択肢は、Eコマースやサポートの分野で対話型セルフサービスツールの構築に利用することだ。ユーザーは使い慣れたチャネルでデジタルエージェントと会話し、デジタルエージェントは簡単なタスクをこなしたり、情報を集めたりする。そして情報は評価されて、人間のエージェントに渡る。
われわれは、「Siri」「Alexa」、Microsoftの「Cortana」をはじめとするデジタルアシスタント、つまり、家や携帯電話やPCの音声インターフェースには慣れ親しんでいる。現代の人工知能が極めてわかりやすい形をとったものであり、音声認識と音声合成の背後では、クラウドサービス、エンターテインメントアプリ、IoT(モノのインターネット)、おなじみの仕事効率化ツールなどが結びついている。
こうしたプラットフォームには、長年にわたるコンピューター科学の研究成果が詰め込まれている。その大半は、複雑な機械学習アルゴリズムや、大企業のリソースを必要とする膨大な訓練データだ。しかし、われわれが利用できるのは、先述したツールだけではない。「Azure」などのクラウドプラットフォームのおかげで、Cortanaのようなサービスの構築に使われているツールを、パートナーが独自のアシスタントを開発するのに利用できるようになったからだ。基本的なところでは「Bot Framework」を使った簡単なチャットのやり取りから、さらに上のレベルになると、BMWやthyssenkruppが開発しているような独自のバーチャルアシスタントまで構築できる。
残り本文:約2938文字 ログインして続きを読んでください。