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「Raspberry Pi 4 Model B」レビュー--PCの性能に迫るシングルボードコンピューター

「Raspberry Pi 4」は、人気のシングルボードコンピューターRaspberry Piの最新モデルだ。新しい機能やハードウェア、旧モデルや競合製品との比較結果などを紹介する。

 「Raspberry Pi 4」は、低価格コンピューターRaspberry Piシリーズにおける飛躍的な進歩だ。大ヒットとなった同シングルボードコンピューターシリーズで初となる機能を多数搭載している。

 Raspberry Piはソフトウェア開発やハードウェア開発の実験を目的とした製品であり、その意味を定義してきたのは常にユーザーだった。ユーザーが考え出したRaspberry Piの用途は確かに多く、たとえばメディアセンター、ファイルサーバー、「Pi-hole」広告ブロッカー、ドローン制御装置、レトロゲーム機などがある。

 Raspberry Pi 4は、こうしたユーザーのニーズに十分に応えるだけでなく、同シリーズで初めて、低価格デスクトップPCを探している人が真剣に検討すべき製品になっている。55ドルのコンピューターとしては目覚ましい成果だ。

 予想どおりのアップグレードとしては、4GBの高速メモリーの搭載、4Kディスプレイのサポート、真のギガビットイーサネット、1.5GHzまで向上したプロセッサー速度、USB 3.0の採用、より現代的な新しいシステムオンチップ(SoC)への移行などがある。だが、驚くような変更点もあり、デュアルディスプレイ出力に対応したほか、2012年発売の初代モデルから続く35ドルという価格を上回るモデルが登場した。

 Raspberry Piがこれまでの最高額35ドルを超えたことは、容易に認められないと思う人もいるだろうが、筆者としては、ユーザーの選択肢を増やしたのは賢明な判断だと感じている。

 「Raspberry Pi 4 Model B」のベースモデルは、1GBのLPDDR4メモリーを搭載し、価格はこれまでと同じ35ドルだが、今回初めて、より大容量のメモリーを搭載するモデルが、より高い価格で提供される。メモリー2GBのモデルが45ドル、メモリー4GBのモデルが55ドルだ。

 何より重要なのは、メモリーの増量によってRaspberry Piでできることが増え、さらに快適に使用できるようになったことだ。

 「Raspberry Pi 3 Model B+」はそれなりのデスクトップPCだったが、Raspberry Pi 4は、日常的な用途に関しては筆者の仕事用ノートPC(価格はRaspberry Pi 4の約20倍)に近いと感じられる。

 筆者はRaspberry Pi 4 Model Bの4GBモデルを、次期「Debian 10 Buster」リリースがベースのプレリリース版「Raspbian OS」を使ってテストした。メモリーの増量によって、旧モデルを使用する際の問題点が、ほとんど気づかないレベルにまで緩和される。ブラウザーで複数のタブをクリックして切り替えても遅延は発生せず、「Gmail」や「Google Docs」のような重いウェブアプリも簡単に処理してくれる。Google Docsの使用感は低価格PCと同じだった。旧モデルのRaspberry Piでは、こうはいかない。「JavaScript」や広告が多い現代的なウェブサイトも、読み込み時に動作が多少ぎこちなくなる程度だ。

 全体的な改善は合成ベンチマークに反映されている(結果は後述)。Raspberry Pi 4は、CPUベンチマークで前モデルのRaspberry Pi 3 Model B+を優に上回り、ウェブパフォーマンス測定のベンチマークでは圧倒的な差をつけた。とはいえ、「ROCK Pi 4」や「NanoPi NEO4」など、より強力で価格帯が近い一部の競合製品に比べると、テストでの成績は全般的に劣っていた。

 だが、こうしたRaspberry Pi競合製品のレビューで指摘されているように、ベンチマークですべてが分かるわけではなく、競合製品のベンチマークでの好成績が、総合的なパフォーマンスのばらつきや、全体的な安定性の欠如によって、かすんでしまうことも多い。

 Raspberry Piのデスクトップとしての性能にはあまり関心がないというユーザーもいるだろうが、スペックの改善が効果を発揮する分野もある。1990年代のクラシックシューティングゲーム「Quake III」のコードのコンパイルで、Raspberry Pi 4はRaspberry Pi 3 Model B+よりもはるかに速くプロセスを完了し、ビルド時間を1分40秒短縮した。

 ストレージには、また主にSDカードが使われるが、USB 3.0が追加されて高速ポートを利用できるため、高速SSDストレージを接続することもできる。ただし、大半のSSDはやはりUSB 3.0がボトルネックになるだろう。

Raspberry Pi 4ではデュアルディスプレイのサポートが追加された。
Raspberry Pi 4ではデュアルディスプレイのサポートが追加された。
提供: Nick Heath / TechRepublic

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