VR・AR

MSのMRヘッドセット「HoloLens 2」--ターゲットはビジネスユーザー

マイクロソフト新しい複合現実(MR)ヘッドセット「HoloLens 2」は、設計の見直しやセンサー群の精度向上などにより、使用感や操作性が向上している。

 ワシントン州レドモンドのMicrosoft本社の会議室に座り、筆者は手を伸ばした。鮮やかなブルーのハチドリが会議室を飛び回って、筆者の手のひらの上を舞い、その羽ばたきが耳の中で聞こえた。筆者は第2世代の「HoloLens」を装着したばかりのところで、体験がどれほど違うものなのか、何も心構えができていなかった。映像はより鮮明で、反応が速く、そして何よりも、視野に占める割合がずっと広がっていた。

 だが、舞っているハチドリは、喜びを与えてくれるかもしれないが、HoloLens全体から見ればささいな一部にすぎない。もっと興味深いのは、インターネットに接続されたウェアラブルな拡張現実(AR)デバイスを使えば企業に何ができるか考えてみることだ。

「HoloLens 2」を装着する

HoloLens 2は、旧モデルよりもバランスが取れているので、着け心地がいい。
HoloLens 2は、旧モデルよりもバランスが取れているので、着け心地がいい。
提供:Microsoft

 初代のHoloLensと比べてそれほど軽くなったわけでもないのに、HoloLens 2を装着すると、確かに実際よりも軽く感じる。これは大幅な設計の見直しによるもので、おかげでバランスがよくなり、はるかに装着しやすいデバイスになった。バッテリーとArmベースのコンピューターは後部に配置され、センサーとカメラが前部にある。そのため、もう前の方が重いデバイスではなくなり、額部分のパッドのおかげではるかに快適だ。眼鏡を掛けていても、ディスプレイの重みで眼鏡のフレームが頬や鼻に食い込むのを恐れずにいられる。

 実際、Microsoftは、眼鏡をかけたままでも使えるようにHoloLens 2を設計した。大きくなったホログラフィック用導波管ディスプレイの背後にあるスペースが広がり、ディスプレイ越しでは見づらい場合は、ヘッドセット本体を取り外さなくても、ディスプレイを上に跳ね上げて目から外せる。そうした大きめの導波管ディスプレイは、新しい2層式を採用したことで、現実世界にある物体がくっきりと見えるようになった一方で、投影される3D画像の明度が高まり、ずっと本物らしく見える。

 HoloLens 2は、MEMSベースのスキャナーを採用して導波管ディスプレイに光を送る。使われているMEMSアレイは、高速のものと、一般的な画面リフレッシュレートに近いものの2種類だ。Microsoftの投影された「ホログラム」(実際にはホログラムではなく、装着者の立体視覚を利用して奥行き感を出した、レンダリングされた3D画像に過ぎない)を作る光は、量子井戸レーザーから発せられており、普通の明るさのオフィスで陽の降り注ぐ窓を背景にして見るのに十分な明るさだ。HoloLens 2のディスプレイは充分すぎるほど明るいため、作業中の部屋を暗くする必要はない。

 跳ね上げ式のディスプレイが、HoloLens 2を使用するビジネスシーンで大きな役割を果たす。Microsoftは、安全機材メーカーと協力し、HoloLensをヘルメットに組み込もうとしている。現場で働く建築技師やエンジニアなら、HoloLensを組み込んだヘルメットをかぶっていても、HoloLensを利用しない場合は、ディスプレイを跳ね上げれば、視界が遮られないため、世界中のさまざまな安全規定を順守できる。

HoloLens 2用ソフトウェアを使ってみる

 HoloLens 2を使い始めるのは簡単だ。手首を注視して、Windowsのロゴが表示されるのを待つ。ロゴをタップすると、スタートメニューが目の前に浮かぶ。スタートメニューから設定を利用して、自分の目に合わせてディスプレイを調整し、仮想アイコンをタップすればアプリを起動できる。

 筆者は、バンドルされていたファーストラインワーカー(現場担当者)向けアプリに時間を割かなかった。代わりに、さまざまなユーザーインターフェースモデルとインタラクションモードを紹介するツールキットを使ってみた。HoloLens 2の仕組みで最も大きな変化の1つは、内蔵のアイトラッキングと、「Azure Kinect」の機械学習ベース3Dカメラ向けにMicrosoftが開発したのと同じ深度センサーにより、はるかに精度が向上したセンサー群だ。視線を用いた単純なポインターと「エアタップ」による選択の代わりに、新しいHoloLensセンサー群は、25カ所の関節を追跡して、両手の動きを把握できる。

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