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アップル「iPadOS」の新機能--「iPad」を「MacBook」代替デバイスにするか

アップルは「iPad」版「iOS」の新バージョンである「iPadOS」を披露した。単なる名称の変更にとどまらず、iPadをマルチタスキングと生産性向上により適したものにするさまざまな新機能が含まれている。

 Appleは米国時間6月3日、サンノゼで開幕した年次開発者会議「Worldwide Developer Conference」(WWDC)において、「iPad」版「iOS」の新バージョンである「iPadOS」を披露した。単なる名称の変更にとどまらず、iPadOSのプレビュー版にはiPadをマルチタスキングと生産性向上により適したものにするさまざまな新機能が含まれている。

 一連の追加機能は、「iPad Pro」の大画面化傾向とも相まって、iPadを「MacBook」に匹敵する製品へとより近づけ、ユースケースによってはiPadをMacBookの魅力的な代替デバイスにする可能性がある。

マルチタスキングの向上

 iPadOSではマルチタスク機能が改良され、アプリやコンテンツの切り替えを高速化するとともに、複数アプリ間のデータ連携が可能になる。

 最も大きな変更は「Slide Over」で、複数のアプリの対応が加わった。Slide Overアプリは、下部をスワイプするか、上方向にスワイプしてSlide Overモードのアプリをすべて表示した状態で切り替えることが可能だ。Slide Overモードのアプリは、上部にドラッグすると全画面表示に切り替わり、また、アプリスイッチャーを開いてアプリを上方向にフリックすると終了できる。

 また、アプリを複数ウィンドウで開くことも可能になり、ユーザーは同一アプリを複数の場所で開くことが可能だ。「App Expose」には、アプリを表示しているすべての場所やウィンドウがタイトルウィンドウとともに表示されるようになり、「Dock」に含まれる任意のアプリのアイコンをタップすることで、そのアプリが開いているウィンドウをすべて閲覧することが可能だ。

 「Home Screen」では、アプリのアイコンの表示グリッドをより狭くし、ウィジェットを常時表示させておく機能が加わった。

キーボードとマウスの利用

 Appleは「Safari」向けとして、新たに30種のキーボードショートカットを導入するとともに、ダウンロードマネージャーなど、デスクトップ版Safariからさらなる機能を追加した。

 iPadOSはアクセシビリティー機能としてマウスとトラックパッドにも対応すると、米ZDNetに寄稿するJason Cipriani氏は指摘している。同氏は、「マウス対応は『AssistiveTouch』機能の1つであると同時に、iPadに『Magic Trackpad』がつながっているときにも機能する」とし、「画面上を移動する円形のカーソルが画面にタッチするときの指のような役割を果たす。マルチタッチジェスチャーでどのようにマウスポインターを操作するかは不明だ」と述べている。

ファイル管理とUSBメモリー

 iPadOSのファイル管理には、「macOS」の「Finder」のさまざまな機能が採り入れられたおり、特にカラム表示とその内部におけるメタデータの表示が加わっている。

 iPad上の外部ドライブのサポートは、使いやすさという点で重要な利点となる。SanDiskなどのストレージベンダーは長年、USBフラッシュドライブとともに、独自のストレージアプリと使用するための「Lightning」コネクターを追加で提供してきた。だが、「Files」にサポートがOSレベルで追加されることで、外部ストレージの使用に関する難点が大幅に解消される。

評価

 とはいえ、以上の新機能の一部は特に目新しいものではない。ホーム画面にウィジェットを常時表示する機能は、2011に「Android Honeycomb」で採用されたものであり、複数のアプリインスタンスを開く機能は、Androidでは数年前から中心的な機能となっている。これらの機能をAppleが導入するからには、iPadOSが2019年秋に一般提供される頃までに、より洗練化することが不可避となる。

 Appleは長年、iPadをコンピューターとして位置付けてきた。最もよく知られているのは、2017年に始まった「What's a computer?」(コンピューターって何?)という広告だが、これは一部のユーザーから反感を買うきっかけになった。Appleは2018年にも、おそらくiPad ProにUSB-Cを採用したときも、同じ主張を繰り返した。おそらくは、iPadOSの採用とそれによってもたらされる生産性機能によって、iPadはようやくコンピューターの代替デバイスとしての潜在的可能性を実現することが可能になる。

 ただし、iPad上で「Xcode」は実行できないため、開発者にとってコンピューターの代替デバイスとなる可能性は低くなっている。


提供:Apple

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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