RPA

単純な機能を部品として再利用、ロボットに任せすぎない--双日流RPA活用術

旧ニチメンと旧日商岩井が合併して誕生した双日はRPAを活用している。「非効率な単純作業を何とかしたい」という思いで勉強会から始めたRPA活用の実態を同社担当者が語った。

 ロボティックプロセスオートメーション(RPA)ベンダー大手であるBlue Prismが2月に開催したイベント「RPA・デジタルワークフォース カンファレンス 2019」では、ユーザー企業が登壇し、自社のRPAに対する取り組みをそれぞれ紹介した。旧ニチメンと旧日商岩井が合併して誕生した双日は、現場の「手弁当」からRPA導入が始まった。現在は海外展開も視野に取り組みを進めるまでに発展しているという。

「非効率な単純作業を何とかしたい」で勉強会から開始

 双日の連結対象会社は国内121社、海外312社。従業員数は単体で2441人、連結では1万8813人(いずれも2018年12月末時点)。同社のビジネスイノベーション推進室でRPAを担当する石井俊樹氏は以下のように語る。

 「RPAを知ったのは2017年。当時、自分は経理を担当していたが、単純業務の多さを痛感していた時だった。外部のコンサルタントにRPAを紹介され、『これはいい』と直感した。さっそく直属の上司に『RPAを入れてほしい』と掛け合ったことを覚えている」

双日 ビジネスイノベーション推進室 上級主任 RPAチーム チームリーダー 石井俊樹氏
双日 ビジネスイノベーション推進室 上級主任 RPAチーム チームリーダー 石井俊樹氏

 双日は、自動車やプラント、エネルギーや金属資源、化学品、食料資源など、幅広い商材を扱う大手総合商社である。日々、膨大な量の貿易書類を扱っており、当然、紙処理業務も多い。同社のRPA導入は現場からの「とりあえずやってみよう」の声が最初だった。

 総合商社は少量多品種の商品を扱うことから、貿易書類の種類も多岐に渡り、その多くはデジタル化されていない。2008年の入社以来、営業経理や主計を担当してきた石井氏は、人手で行う入力作業の非効率性を解決したいと考えていたという。

 最初は現場の有志を募り、RPAの仕組みやツールの種類、何ができるのかを理解するところから始めた。主計や財務、人事、IT部門から自発的に集まったメンバー4人で「RPAチーム」を結成。この時は全員ボランティアでの参加だった。

 石井氏は「最初は自分たちの在席している部門でロボットが代行できる単純作業を見つけ出してロボット化した。スモールスタートを意識し、デスクトップ作業の代行から開始し、その成果を確認しながら進めていった」と当時を振り返る。

 RPAチームの地道な努力とその成果は、社内にも伝播していった。完成したロボットは現場の従業員に披露し、社内の認知とパイロット業務の抽出を継続的に実施した。さらに頻繁に説明会を開催したところ、現場からの反応は良好で、「これはいける!!」(石井氏)と確信したという。

 当初、デスクトップ型のRPAツールを利用していた双日だが、2017年末にツールを再選定した際にはサーバー型のBlue Prismに決定した。その理由を石井氏は以下のように語る。

 「会社単位ではなく、グループ単位で利用できること。また、技術的なサポートが得られやすいことも考慮した。特に重要視したのは、ロボットの管理や実行履歴ログが残り、動作状態が追跡できることとだ」

 国際的な商取引を行う総合商社には、厳密な内部統制が求められる。いくら便利だからといっても、個人が無秩序にロボット開発する――いわゆる“野良ロボットを作る”――ことは許されない。コンプライアンスを準拠しつつ、拡張性に長けた製品を選定した結果、サーバー型のBlue Prismを選定したという。

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