IoT

IoTに関する5つの教訓--物流業界から学ぶ

IoTのアーリーアダプターである物流業界には、他の業界が学ぶべき教訓がいくつもある。本記事では、物流業界から学べるビジネス上の教訓を5つ紹介する。

 テクノロジーがこれまで以上にビジネス戦略を推進するようになっている。そして、物流業界ほど、それがはっきり見える業界はない。IoTのアーリーアダプターなので、トラックフリートのデジタル変革の物語はいくらでもある。そうした物語には、センサーベースのテクノロジーと分析を導入して、トラックが今どこを走行しているのか、期限に間に合うかどうか、道路工事や天候がどのような状況なのか、といったことだけでなく、運転手の安全習慣も追跡した記録が含まれる。

 物流会社がIoTと分析でつかんだ成功には、ほぼすべての業界が学ぶべき教訓が含まれる。本記事では、物流業界から学べるビジネス上の教訓を5つ紹介する。

1. 顧客が市場を動かす

 UPSやFedExなどの大手運送会社は、消費者がオンライン注文に移行し続ける中で、ホリデーシーズン中により多くの荷物を配達しなければならない、という重圧を感じていた。Eコマースを利用するこれらの消費者は、注文した商品がすぐに届くことを期待した。運送業者がこれを達成する唯一の方法は、モバイル技術の助けを借りることだった。GPSを利用するさまざまなアプリケーションが配送ルートに関する追跡機能およびデータ情報、車両の配送ルートを変更する機能、トラックに積まれた荷物の状態に関する情報を提供した。

 このような環境では、より慎重な最高情報責任者(CIO)でさえも、IoTと分析、そして、その両方をビジネス変革に利用する機能を綿密に検討しなければ、ビジネスの存続に寄与することはできない。

2. セルフサービスが重要

 企業はセルフサービスの選択肢を検討する必要がある。IoTとモビリティソリューションを提供するSOTIでプロダクトマネジメント担当ディレクターを務めるSuneil Sastari氏によると、73%の消費者がセルフサービスオプションを好んでおり、64%が新しいタイプの配送方法にも満足していると述べたことが、最近の調査で明らかになったという。「こうした環境では、運送会社は効率性と信頼性を向上させつつ、コストも削減しなければならない」(Sastari氏)

 輸送中の商品を追跡するIoTと、輸送中の生鮮食品の状態を監視するIoTセンサーの機能を組み合わせて使用することは、効率性と信頼性を確保するだけでなく、現代の消費者が期待する質の高いサービスを提供する上で、なくてはならないテクノロジーになった。

3. 業務のエンドツーエンドの透明性が新たな常識に

 企業にある情報サイロは、今日のペースの速いビジネスプロセスにおいて、もう生き残ることはできない。皆が単一の真のデータソースを使って業務を進められるように、情報サイロは解体しなければならない。また、企業は、ビジネスイベントをリアルタイムで普遍的に可視化して、知っておく必要があるすべての人がアクセスできるようにする方法も見つけなければならない。

 IoTはこれを可能にする。例えば、運転手が真夜中に人里離れた場所で体調を崩した場合、本部の誰かがそれを確認して、助けられる人を派遣することができる。大量の農産物が腐敗しそうな場合、センサーが環境の異変にフラグを立てることが可能なので、ディスパッチャーは、ルートを変更して、商品を近くの市場に届けることができる。センサー分析が登場する前の世界では、これらのことはどれも不可能だった。

 「センサーを使えば、運転手がうとうとしているときに、それを検知することができる。また、運転手は、実際のメンテナンスの必要性が極めて重大になる前に、車両のメンテナンスがいつ必要なのかを確認することができる」(Sastari氏)

4. 安全性とコンプライアンスに関する新しい要件は新しい利点を提供する

 新しい規制が次から次へと定められるので、安全性とコンプライアンスの要件を常に把握しておくのは難しいかもしれないが、それらが新しい利点を提供する可能性もある。

 「われわれは数年前、そうした事例をトラック業界で目の当たりにした。具体的には、政府が運転手を対象とする新たな安全要件を導入したので、業界は各運転手の走行時間を監視するために、センサーをトラックに搭載することを余儀なくされた」(Sastari氏)

 当初、業界は不満を述べていたが、時間が経つにつれて、センサーベースのデータ収集には、新しいビジネス上の利点がいくつもあることに気づいた。それには、燃料消費や運転手の行動、トラックの位置を監視できることも含まれていた。

5. IoTと分析を導入してもレガシーシステムを破棄する必要はない

 さまざまな業界に共通する不満は、IoTと分析がレガシーシステムとうまく連携しないこと、そして、データセンター計画の完全な見直しを余儀なくされることだ。しかし、これらは事実ではない。ほとんどの場合、異種のシステム同士を連携させることのできる共通のAPIがある。これにより、企業はレガシーシステムからビジネス上の利点を引き出しながら、前に進むことができる。

結論

 あらゆる業界には、コストと売り上げ、業績、および顧客満足度の目標がある。われわれがIoTのアーリーアダプターである輸送業界などの業界から学んだのは、IoTを利用すれば、現在のビジネスケースに対処できるだけでなく、企業がIoTとその可能性を理解するにつれて、新しいユースケースも生まれてくる、ということだ。

 「運用パフォーマンスの可視化は、IoTの成功の鍵であるだけでなく、顧客の意向を正確に把握する上でも重要である」とSastari氏。「顧客がさまざまなことを行えるようにする企業が、最終的に勝者となる。IoTは、企業がそれを実行して勝利を収められるように支援する」(同氏)


提供: vitpho, Getty Images/iStockphoto

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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